データから情報、知識、知恵へ/大塚 邦雄

前回(2003年2月3日)のコラムでERP導入についてお話しましたが、今回はい
ろいろな方法で蓄えられたデータをどの様に活用するかについてお話します。

コンピュータはデータの蓄積・集計・分析を行うことはできますが、それを基に
戦略や方針を決めることはできません。戦略や方針を決めるのは人であり、その
人の洞察力や判断力が必要です。しかしその判断を下すための材料が揃っていな
ければ判断を誤ることにもなりかねません。
この判断の手助けとなるのが知識ですが、単なる知識でなく「価値を持った知識
」が必要です。これが、ナレッジマネジメントにおけるナレッジということにな
ります。ナレッジには、データ・情報・知識・知恵の4つの要素があります。
この知識・知恵を、個人のものから組織全体で共有化させ、
(1)常に市場をリードする商品やサービスを提供する
(2)顧客のニーズを敏感に察知して満足度の高いサービスを提供する
(3)クレーム・トラブルが起きた場合に迅速に解決する
ことが、これからのビジネスに必要です。
とは言っても知識は全て意識されている訳ではありません。それぞれ個々人が暗
黙のうちに身に付けている場合もあります。そういう暗黙知を如何に引き出して
形式知にするかが問題です。

皆さんはマーケットバスケット分析の例を聞いたことがあると思います。米国で
紙オムツを買いに行かされた夫がついでにビールを購入していく、という話です
が、これは相関関係分析(アソシエーションルール)と言われているものです。
この他にも、類似の集合体を見つけ出すクラスタ分析(セグメンテーション)や
デシジョン・ツリーと言って顧客からのクレームやトラブルに迅速に対応する手
法があります。更に高度な手法としては、ニューラルネットワークがあります。
ニューラルネットワークとは、人間の脳の神経細胞(ニューロン)が結合され組
み立てられて経験が蓄積されるのと同じように、データをコンピュータ上でモデ
ル化し、コンピュータ自身に学習・蓄積させる手法です。
これらの分析手法を用いてルールを見つけ出すことをデータマイニングと言いま
すが、多くの企業が経営戦略を立てる上で重要となってきます。数値データは正
直です。今まで第六感や紙の上で行う分析だけではわからなかった隠れたルール
を発見して、サバイバルゲームを勝ち抜くためにデータを有効活用するしくみを
作ることは、今や情報戦略上不可欠となっています。また、そうした意識を持つ
ことが大切です。


■執筆者プロフィール

大塚 邦雄(おおつか くにお)
情報処理システム監査、ITコーディネータ
25年にわたるシステム経験をもとにIT化を支援します。
e-mail:kunio920@mbox.kyoto-inet.or.jp

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