・バブルがはじけて長い不況が続いていますが、これは景気の波による不況ではありません。経済環境が大きく急激に変化した為、うまく対応が出来ない状況が続いているのです。
・原因は、政官の古い、硬直した体質がもたらしたとも云えますが、小泉さんに期待するだけではなく、企業は自らこの状況を打開するしかありません。
・もとより、市場経済社会においては、企業は変化対応業でなければならないのです。しかし、これからどのように変化するかを考えるためには、いくつかのキーワードを見つけ出し、そこから変化を予測することがよい方法ではないでしょうか。
(私の考えるキーワードは3つです。)
・グローバル化
これは、2つの問題を提起しましょう。1つは中国です。低価格での生産能力だけではなく、その消費力を含め世界経済全体に及ぼす影響力の大きさです。どんどん経済開放が進み、12とも13億ともいわれる人口が全員参加してきた場合、日本はどのように中国と関わるのかということです。もう1つは、欧米グローバルスタンダードが土足で乗り込んでくる問題です。欧米と比較して、日本独自の商慣習や取引形態、価格設定をしている業界は、やがて、乗り込まれて変化・追従を余儀なくされる可能性が大きいということです。
・少子高齢化
現在の人口構成から、近い将来の人口構成を予測することは簡単です。いま25歳ぐらいの人口と5歳ぐらいの人口は、約2対1です。また、戦後生まれの団塊の世代は55,6歳になっています。このことから、向こう20年間ぐらいは少子高齢化が急速に進むということです。その後は、人口が急激に減り続けるということです。少子化が進めば学校はもとより、婚礼件数、住宅需要等々減少するものは数多くあります。また、高齢化が進めば、単に高齢者という1分類ではすまないことになり、新たな需要が発生するでしょう。介護も保険制度の変化にとどまらず、流動的なものとなるでしょう。
・IT化
近い将来にやってくるユビキタス社会に向かって、いまどのような姿勢でいるかが問題です。この部分では、いずれ他のITCが詳しく述べるでしょう。なってから考えるでは遅いですよ、とだけ言っておきましょう。
■執筆者プロフィール
安田 徹
税理士・中小企業診断士
yasuda@tkcnf.or.jp