相変わらずの厳しい経済情勢のなかで経費節減策には限度があります。この苦境を乗り切るには「売上を伸ばさなければ生き残れない」と考えておられる方も多いと思います。とは言っても打出の小槌のように簡単に売上が見込めるわけではありません。
売上を伸ばすための1つの手段として最近また注目されているのがSFA(セールス・フォース・オートメーション)ツールです。その背景には営業生産性向上があると言われています。これはリストラで中間管理者層が減り、営業マネージャーが直接管理する部下の人数が増えたことがあげられます。2つ目は営業マンの流動化です。優秀な人材ほど能力に見合った報酬を求めて転職する傾向がありますがこの人材流出を補ったり、営業マンの能力に応じた木目細かい指導をしてバラツキをなくし安定した受注活動に繋げることへの期待です。
元々SFAは10年前に米国で提唱されたと言われてます。日本では5年程前からグループウェアと結び付いたソフトウェアが発売されましたが、当時はまだ営業日報などを蓄積するに止まっていました。最近の傾向としては社内の情報を出先でも利用できるようなマーケティング・ツールとしての機能が充実しつつあります。また結果の数字だけで営業マンの尻を叩いても成績が上がりません。具体的な営業プロセスを管理して適切なマネジメントを可能にする道具として使います。ここではSFAの具体的な製品機能の説明は省略しますが、SFAを選択するときのポイントを次に挙げます。
1.通常SFAツールには内向きの機能(管理者が使用する機能)外向きの機能 (販売を支援する機能)が
あり、どの機能が一番大切かを選択します。
2.情報入力は営業マンが入力し易い設計になっているか。忙しい営業マンが入力に時間が取られては本
末転倒です。
3.営業の前線では変化のスピードについていけなければなりません。変更の柔軟性も一度導入したもの
を無駄にしないためにの留意事項です。
4.既存データとの連携も大事です。リアルタイムで利用するデータ、日々更新するデータなどを必要十
分なものに絞り込むことも必要です。
5.最後に、期待効果に見合うコストかをみます。期待効果を現在価値に置き換えて考えるのは難しいで
すが営業機会損失や失注率低減を元に効果をシュミレートされてはいかがでしょうか。
これらはまた営業スタイルが定型化されていないと効果は発揮できません。
そのためには業務自体の見直しも視野に入れて考える必要があります。
■執筆者プロフィール
大塚 邦雄
情報処理システム監査、ITコーディネータ
25年にわたるシステム経験をもとにIT化を支援します。
e-mail:kunio920@mbox.kyoto-inet.or.jp