コンピュータ化とIT化は似て非なるもの/恩村 政雄

 森首相時代にIT化という言葉(キーワード)が日本国内に蔓延し、それ以来
コンピュータ化や情報システム化という言葉は企業及びSEの口から遠ざかり、
もっぱらITという言葉が強調されてきた。

中小企業においても、IT化をしなければこの厳しい経営環境を乗り切ることは
至難の術ですよ、と説明すると「当社はIT化を精力的に進めているから問題は
ない、ソフトは○○○、サーバは○」との説明を異口同音に受ける。
まてよ、この経営者の説明していることは、かつてのコンピュータ化や情報シス
テム化時代の感覚と同じではないのか?

 ITコーディネータは経営と情報の掛け橋と喧伝されている。
しからば、IT化とはコンピュータ化や情報システム化とは根本的に違わなけれ
ばならない筈なのだが??
そうです!!
コンピュータ化とIT化とは似て非なるものです。

コンピュータ化とは、特定の業務又は限定された業務フローにスポットを当て、
いかに事務効率をあげるか、省力化し人件費をいくらカットできるのか、文書や
情報の共有はできないのか、という視点、つまり特定の業務をコンピュータ化す
ることが目的で、情報システムの視点が70%、経営の視点が30%という認識
である。

では、IT化とは何かというと、まず経営全般をとらえ、この業務処理は当社の
経営においての位置づけや意義はどうなのだろうか、という大局着眼、小局着手
の手順を踏む。

 IT化の目的は、自社の経営資源の乏しさをITというツールでカバーする戦
略的志向であり、業務革新(業務効率ではない)に留まらず、新しいビジネスへ
の進出をも視野に入れた情報化の取組みである
ということを認識すれば、経営の視点が70%、情報システム化の視点が30%
のウェイトとなり、コンピュータ化や情報システム化の考え方とは逆転し、両者
は似て非なるものと理解できる。

だからこそ、ITC協会は中小企業診断士や税理士等の経営支援を得意とする資
格を有する人を優待してITコーディネータとして認定したのである。

 過去の延長戦上でIT化を進めていると、いつの間にかIT化とコンピュータ
化や情報システム化を混同しかねない。が、この違いをしっかりと押さえること
で、クライアントの企業に適したIT化を支援することが可能となるのではない
だろうか。


■執筆者プロフィール

O・B・C・C(onmura・ビジネス・クリエーティブ・コンサルタンツ)
主宰
NPO法人 ニュービジネス支援センター 理事・事務局長
恩   村  政   雄

Eメール   :obcc.onmura@nifty.com


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