NPO法人とは?/中川 秀夫

「ITコーディネータ京都」は、今年4月NPO法人の認証を取得してNPO
法人としての活動を開始しております。「ITコーディネータ京都」に限らず、
NPO法人の認証を取得して活動しておられるところは、今や全国に1万法人以
上の数になっているとのことです。
 NPO法人とは、特定非営利活動法人の略称です。そして、非営利とは、一言
で言えば「もうかった利益を団体の構成員に分配しない」ということです。
 NPO法人は、活動資金として会費や寄附金を集める以外に、活動に対する対
価をもらって差し支えありませんし、活動資金の足しにするために、社会貢献活
動とは別に、収益事業を行っても構いません。そうやって生じた利益を、団体の
構成員で分配すれば株式会社のような営利目的の団体となりますが、それを次の
社会貢献活動の資金へと回していくのなら、営利を目的としない団体、つまりN
PO法人と言えるわけです。
 NPO法人が社会貢献活動を組織的、継続的に行うためには、活動資金を稼ぐ
ことはむしろ当然なことと言ってよいでしょう。

(NPO法人の意義)

 法人格を持たない任意団体としての活動では、銀行で口座を開設したり、事務
所を借りたり、不動産の登記をしたり、電話を設置するなどの法律行為を行う場
合は、団体の名で行うことができません。NPO法人となって法人格を取得すれ
ば、このような不都合も解消でき、その活動の健全な発展を促進し、もって公益
の増進に寄与することが可能になります。
 そのため、NPO法人は、自らに関する情報をできるだけ公開することによっ
て市民の信頼を得て、市民によって育てられるべきであるとの考え方が取られて
いる点がこの法律の大きな特徴です。法人の信用は、法人としての活動実績や情
報公開等によって、法人自らが築いていくことになります。

(NPO法人の設立)

 NPO法人は資本金などを必要としません。また、所定の要件はあるものの、
所轄庁の認証を得れば、設立できます。この所轄庁の認証は、届出に近いもので
あり、法律に設立要件を明文化していて、その要件に適合していれば必ず法人の
設立を認めなければならないとするものです。

(法人格取得後の義務)

 法人格取得後は、この法律やその他の法令、及び定款の定めにしたがって活動
しなければなりません。
 特に次の点には、留意する必要があります。

(1) 事業報告書などの情報公開と所轄庁への提出

 法人は、毎事業年度初めの3カ月以内に、前事業年度の事業報告書等及び役員
名簿等を作成しなければなりません。また、定款等とともにこれらの書類は、主
たる事務所に備え置き、利害関係人に閲覧させるとともに、所轄庁に提出し、一
般公開されることとなります。なお、内閣総理大臣が所轄庁となる法人の場合は
事務所の所在する都道府県においても、一般公開されることとなります。

(2) 納税

 NPO法人に対しては、いろいろな税金が課せられます。概略を説明します。
国税である法人税については、公益法人と同様に、法人税法に規定された「収益
事業」(注)からの所得に対しては、課税されることとなります。それ以外から
の所得については非課税です。

 県税については、法人県民税(均等割と法人税割)と法人事業税が課税されま
す。また、収益事業を行わない場合は、法人県民税(均等割のみ)が課税されま
すが、申請により減免されます。(京都府は申請を特に必要としていません。都
道府県にとって取扱いが異なりますので、ご確認ください。)

 市町村税は、法人県民税と同様に法人市町村民税(均等割と法人税割)が課税
となります。(収益事業を行わない場合は、京都市は特に申請を必要とせずに均
等割が減免されます。市町村によって、取扱いが異なりますので、ご確認くださ
い。)

(注)法人税法上の収益事業(法人税法第2条第13号、法人税法施行令第5条第1
項)
 販売業、製造業その他下記の事業で、継続して事業場を設けて営まれるもの。
物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、
通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、
料理店業、その他の飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採
取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技所業、遊覧所業、医療保健業、一
定の技芸教授業等、駐車場業、信用保証業、無体財産権の提供等を行う事業

  なお、特定非営利活動に係る事業であっても、法人税法上は、収益事業とみな
されることがあります。

  消費税については、基準期間(その事業年度の前々事業年度)における課税売
上高が1000万円(平成16年3月31日までに開始する課税期間については
3000万円)以下の事業者については、納税義務が免除されています。

  印紙税については、NPO法人の発行する17号文書(領収書)については、
営業に関しないものとして非課税とされています。

  源泉所得税については、給料や講師料などの支払いがある場合に注意が必要で
す。また、職員を雇用する場合は、労災保険、雇用保険や社会保険に関する事務
処理も必要となります。

(ITコーディネータ京都のNPO法人に関する役割)

  「NPO法人ITコーディネータ京都」は、あらゆる組織、団体の戦略的情報
化に関する支援事業とその支援事業を支えるITコーディネータの育成、普及を
図り、公益の増進に寄与することを目的として設立されました。
  したがいまして、自らのNPO法人としての活動を通じての実績とノウハウの
蓄積を図り、「NPO法人のマネジメントやITに関する身近な相談相手」とし
ての役割も担っていることと自負しております。


■執筆者プロフィール

中川 秀夫(なかがわ ひでお)
税理士、ITコーディネーター、CFP(1級FP技能士)、
不動産コンサルティング技能登録者
IT投資に関する支援を新機軸に経営計画、
建設投資、不動産に関する業務サポートを展開中。
お問合せ先:naka.h@dream.com

 

 

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