読者の皆様こんにちは、ITコーディネータ京都の坂田です。
今日は日頃のコンサルティング業務で気がついたことをお話します。よろしくお願いいたします。
私は、製造業のITコーディネートをメインにしています。
先日もあるお客様の工場で打合せをしていました。ちょっと疲れたので工場の片隅の休憩室でちょっと一服(^^)。すると、ちょうどチャイムがなり工場内の作業員の方がドット休憩室に入ってこられました(どうやら3時の休憩のようです)。
休憩室の壁には「15:00~15:15休憩時間」と書かれています。工場では、このように休憩時間をきっちり決めているところが多いですね。
先日別の企業の社長さんと話をしていました。どうやら社員の業務効率に問題を感じているようです。特に外勤(外回り)の社員の方が監視の目がないのをいいことに、かってに休憩を取っているのではないかと言われます。確かに社内にいれば、休憩していればすぐに分かりますが外勤だと管理ができません。そこでこの社長さん、外勤の社員全員にGPS付きのPHSを持たせて動きを監視したいと言われます。つまり、ある一定の場所で長い時間停止していれば、休憩を多く取っていると推測されるので、帰ってきたらお目玉を食らわそうという訳です。
坂田「なるほど、こういうITの活用方法もあるのか・・・」「まるで、鵜飼いのようだな」
鵜飼いの鵜は、鵜匠の操るとおり魚を取ってきます。しかし、一番いいのは鵜に「魚を取って来い!」と指示したら鵜匠が何もしなくても、魚を取ってくることです。
この会社も、社長がGPSで社員を監視するよりも、社員が自ら積極的に業務効率向上する意識を持たせることの方が100倍良いはずです。私は、この社長さんにGPSを活用するなら、社員の監視ではなく効率の良いルーティング(最も効率よく客先を回れるルートを提供する)などに活用したほうがいいですよと助言しました。さらに、監視されているから仕事をするのではなく、会社の方針や戦略をきちんと共有して、社長が監視しなくてもきっちり成果を上げてくれるように啓蒙・教育する必要がありますねとも言いました。つまり、社員のモチベーションを上げる仕組み(金銭的なインセンティブよりも、やりがいがでるような仕組みの方がいいでしょう)を作ることが重要なのです。そして、これが経営改革につながるはずです。社長さんも一定の理解はして頂いたようですが、やっぱりGPSのカタログを離しませんでした(^^;
■執筆者プロフィール
坂田岳史(Takeshi Sakata)
有限会社ダイコンサルティング代表取締役。
中小企業診断士、ITコーディネータ
コンピュータの裏の裏まで知り尽くした異色の経営ITコンサルタント。
大阪府/大阪市中小企業支援センター「経営・技術アドバイザー」
財団法人京都産業21「経営情報アドバイザー」
滋賀県産業支援プラザ「経営IT相談員」など公職多数
http://www.daiconn.co.jp