(1)法律改正の趣旨
平成17年4月6日、中小企業新事業活動促進法(中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律)が、参議院本会議で可決成立し、4月13日より施行されました。この法律は利用者にとってわかりやすい施策体系を実現するために、
a.中小企業経営革新支援法
b.中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法
c.新事業創出促進法
の3法律を整理統合するとともに、昨今の経済社会環境の変化を踏まえた施策体系の骨太化を図り、中小企業が柔軟な連携を通じて行う新たな事業活動(新連携)を支援するため、中小企業の新たな事業活動の促進を柱とした新法となっています。
(2)新法の概要
a.創業支援
創業を目指す個人や創業5年未満の事業者を対象に中小企業新事業活動促進法に基づく支援策があります。これまで事業を営んでいない方が資本金1円から会社の設立が可能となる最低資本金規制の特例、設備投資減税や留保金課税の停止という課税の特例の措置、中小企業信用保険や中小企業投資育成株式会社法の特例を通じた資金調達といった支援措置を受けることができます。
b.経営革新支援
中小企業や組合の方が
・新商品の開発又は生産
・新役務の開発又は提供
・商品の新たな生産又は販売の方式の導入
・役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動
といった自社にとって新たな取り組みを行い、経営の向上に取り組むビジネスプラン(経営革新計画)を作成して、都道府県等から中小企業新事業活動促進法の承認を受けると、支援機関による別途審査はあるものの経営革新補助金、中小企業信用保険や中小企業投資育成株式会社法の特例を通じた資金調達、設備投資減税や留保金課税の停止という課税の特例等の支援措置を受けることができます。
経営革新計画の承認を受けるためにはその計画期間に応じた次の数値目標があります。
・計画期間が5年の場合
目標伸び率 ・・・ 付加価値額15%以上及び経常利益5%
・計画期間が4年の場合
目標伸び率 ・・・ 付加価値額12%以上及び経常利益4%
・計画期間が3年の場合
目標伸び率 ・・・ 付加価値額9%以上及び経常利益3%
*付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)
*経常利益については資金調達に係る費用(支払利息、新株発行費等)を含み
本業との関連性の低いもの(有価証券売却益、賃料収入等)は含まない。
c.新連携支援
2以上の中小企業(大企業、大学、研究機関、NPO、組合などが参加することは可能)が各企業がもつ様々な技術・ノウハウといった強みを持ち寄り、新たな事業を行うビジネスプランを作成、実行する場合に全国9カ所のブロックに設置された「新連携支援地域戦略会議」の経営のプロによる事業化に至るまでのサポートを受けることができます。
この新連携の事業計画が各経済産業局等から中小企業新事業活動促進法の認定を受けると補助金、中小企業信用保険や中小企業投資育成株式会社法の特例を通じた資金調達、政府系金融機関による低利融資、設備投資減税等の支援措置を受けることができます。
■執筆者プロフィール
竹内政明(たけうち まさあき)
税理士・ITコーディネータ
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FAX:075-863-3378
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