6月末から7月頭にかけて、早めの夏休みをいただいてアムステルダム4泊、パリ3泊の旅に出かけてきました。毎年パートナーと海外で時を過ごすということを目標のひとつに据えているのですが、行くと決めることによってなんとか状況を作っていくことができます。
ここ何年か、ヨーロッパの町を巡っていて、気がついたのは、アジア系の観光客の団体に出くわすことが多いことです。10年ほど前までは、美術館等で出くわすアジア系の一団といえばほとんどが日本人観光客でした。それが最近では、中国語をしゃべる人々の団体、韓国語で説明をされている団体など、さまざまな国の人が目につくようになりました。特に中国の人々の勢いはすさまじいように感じられます。
日本政府も2003年、「観光立国行動計画」を発表し、日本を訪れる外国人観光客を2010年までに年間1,000万人に倍増させるとの政府目標を達成させるために、ビジット・ジャパン・キャンペーン等による海外への情報発信などと並行して、訪日外国人をもてなす国内の観光地の魅力向上策として、観光地の活性化に取り組む民間の活動を支援する「観光ルネサンス補助制度」や、当該事業への移行を目指した調査事業である「観光地域づくり実践プラン」が創設されました。
わが京都の町でも、2001年桝本市長が当時4千万人であった入洛観光客を10年間で1千万人増加させ、2010年までに5千万人とする「観光客5,000万人構想」を宣言され、「京都市観光振興推進計画~おこしやすプラン21~」が策定され、オール京都での観光振興が推進されてきました。
京都市への入洛観光客数は、2001年=4,132万2千人、2002年=4,217万4千人、2003年=4,374万人と着実に増加し、2004年(平成16年)は、4,554万4千人と前年比180万4千人、4.1%増加し、4年連続で過去最高を更新しました。
NHKの大河ドラマ「新撰組」の効果や、潤い・癒し・安らぎなどを求める時代背景。町家人気やライトアップ事業等の定着などが大きな要因と考えられます。
冬の観光客の少ない時期の対策としてはじめられた、東山の社寺仏閣を光の帯で結ぶ「京都花灯路」も3月のまだ寒い時期に拘わらず好評を博し、本年度から嵐山地域での花灯路事業も新たに計画されています。12月9日から18日までの10日間、嵐山一帯の社寺仏閣が夜間、光の帯で結ばれます。
また、この4月に竣工いたしました京都迎賓館の一般公開が8月6日から4日間(地元向け)および8月27日から7日間(一般向け)行われます。定員5,500名のところ、応募はがき数は数十万をかぞえるそうです。京都の伝統技術の粋をあつめた建物だけに関心も大きなものとなっています。
21世紀は「環境の時代」と言われていますが、京都は観光資源に恵まれています。清水坂あたりを歩いていると外国人観光客の方が年々増えています。国内、海外に向けた情報の発信と、迎え入れる京都人のもてなしの心意気、両輪が相まって京都の観光産業はますます発展していくでしょう。そしてこの分野でもITはツールとして益々大きな役割を担っていくことでしょう。
■執筆者プロフィール
藤井 健志
株式会社日商社
ITコーディネーター、一級建築士、中小企業診断士
京都市中京区烏丸御池東入ル第一生命ビル7F
E-mail fujii@nisshosha.co.jp
URL http://www.nisshosha.co.jp
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