いきなりですが、私は今年の1月から歯医者に通っています。
さすがに半年以上通っていると、かなり治療が進みそろそろ終わりそうです(^^)
先日も歯医者に行っていると、先生が患者のおばあちゃんに治療の説明をしています(診察室から大きな声が聞こえる)。
おばあちゃん「先生、この虫歯は抜かないといけないですか?」
歯医者の先生「この歯がどこまで悪いかどうかは、レントゲンだけでは分からないので、ある程度治療してから抜くかどうか判断します」
おばあちゃん「分かりました。先生にお任せします」
なるほど、レントゲンだけでは分からない虫歯もあるんだ。(坂田の独り言)
先日来、ある中小企業のIT化企画を作成しています。
IT化企画とは、企業の現状の業務を分析し、どこをどうやってIT化したら、業務改善が出来るかを検討しまとめるのです。
当然ながら、システムの開発費用は、IT化企画ができないと分かりません。
しかし、この会社の社長さんは、早く開発費用が知りたいといいます。
でも、IT化企画ができないと、システム化の範囲や機能が分からないので概算でもあっても費用見積できません(というか、出したくない)。
確かに社長さんの気持ちも分かります。来期の予算を決めるためには開発経費がどれくらいか、早く知りたいのです。
しかたないので、とりあえずシステム化する範囲だけを明確にして、その範囲の中で過去の経験から、概算費用を出すことにしました。
本来は、その範囲の中でどこまでの機能を実現するかを決めないとシステム機能が決まらず、開発規模が見積もれないのですが・・・
ちなみに、先の歯医者の先生は、歯の奥の方の虫歯は、レントゲンだけでは正確に分からないので、治療(歯を削る)してみて中をみないと分からないと言っています。
IT化もそれと同じで、まずはシステムの範囲(販売や製造などの業務の範囲と、物理的な範囲)を決めて、その中で組織ニーズ(部門等で何をITで解決したいか)
をを明確にして、初めてシステムの構成(ハードやネットワーク、ソフトウェア等)が決まり、開発費用も算出できます。
範囲だけ決めて概算で費用を出すのは、虫歯をそとから眺めているだけで中まで見ずに治療するようなものです。
一方、確かに社長さんの立場に立てば、早く費用を知りたいというのも分かります。今回は、私のの過去の経験から概算で費用見積しましたが、本来のプロセスでないことを、社長さんに理解して頂くにはちょっと苦労しました(^^;
本メルマガは、「さかやんのコンサル日記」から抜粋したものです。
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■執筆者プロフィール
坂田岳史
有限会社ダイコンサルティング
中小企業診断士・ITコーディネータ・ITCインストラクタ
http://www.daiconn.co.jp