何のために情報システムを導入するのか〜「IT経営」の正しい理解/宗平 順己


 平成18年1月19日にIT戦略本部から「IT新改革戦略」が発表されまし
た。その中で今後のIT政策の重点の一つとして「IT経営の確立による企業の
競争力強化−世界トップクラスのIT経営を実現−」というものがあげられてい
ます。
 そして、この施策以下の4つの目標が示されています。
1.2010 年度までに、企業の部門間・企業間の壁を越えて企業経営をITによっ
 て最適化する企業の割合を大企業・中小企業ともに世界トップクラスの水準に
 引き上げる。
2.2010 年度までに、基幹業務にITを活用する中規模中小企業(年間売上高5
 億〜20 億円を想定)の割合を60%以上とする。
3.企業が電子商取引に共通して利用できる国際的にも調和した汎用的な共通基
 盤(例えばEDIプラットフォーム)を構築し、2010 年度までに、電子商取引を
 実施する企業のうち汎用的な共通基盤を利用する企業の割合を60%以上とする。
4.2010 年度までに、中小企業の取引先のうち電子商取引を実施する企業の割合
 を50%以上とする。

 「IT経営」ということばは昨年までは中堅・中小企業に対して使われてきま
したが、「IT新改革戦略」では大企業に対しても使われています。
 この「IT経営」という言葉ですが、ITを使って経営をするという短絡的に
理解している人が多いですが、これは誤りです。この定義であれば、大企業に対
してIT経営という言葉を使う必要はありません。
 では、正しい理解は何でしょうか?
 短く表現すると「経営戦略を実現するために、業務改革と連携をとって正しく
ITを導入・運営すること」ということになります。
 ITを道具として使うということは何となく皆が理解しているようではありま
すが、「何のために」という理解が、まだまだ不十分です。いろいろな人がいろ
んなことを言ってきましたが、今は「経営戦略実現のために」というのが大企業
も中小企業も正しい姿とされています。
 すなわち、IT経営を実践するとは、「経営戦略」をしっかりと描き実現する
ことと言えます。経営戦略があいまいであれば、いくら良い道具を入れても効果
は全く出ません。かえって道具に経営を左右されることになりかねません。また、
経営戦略がきちんと描けない企業はこれから淘汰されるということでもあります。
 皆さんも、これを期に自社の経営戦略を見直されることをお勧めします。


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■執筆者プロフィール

氏 名 宗平 順己(むねひら としみ)
所 属 (株)オージス総研 ソフトウェア工学センター長
資 格 ITコーディネータインストラクター、ITコーディネータ

専門分野
・ビジネスモデリング
・EA(エンタープライズ・アーキテクチャ)
・IT投資マネジメント
・BSC(Balanced Scorecard)
・ABC/ABM

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