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日本のネットワーク、電子基盤、などの遅れを取り戻すべく策定された「e-Japan戦略」から5年を経て、日本は大きく変わって来ました。
・インターネット世帯利用率 87%(2005年12月 総務省調査)
・パソコン普及率 81%(2006年2月 内閣府調査)
因みに同時期の下水道平均普及率は約7割との事。
インターネットは完全な生活インフラとなっています。
また、年齢別利用率でも、10代から40歳代までは9割以上(50歳代で約8割弱)、既に、6歳からインターネットを日常のツールとして使っています。
更に、国では、UNS(ユビキタス・ネットワーク・ソサエティ)プログラムとして年間数百億円の開発費をかけて、更なる電脳化社会を2010年までに創り上げようとしています。
注目すべき動きを3、4点お話し、現況を少し理解してもらいたいと思います。
■Google
検索エンジンとして、多くの方は、認識していますが、「世界中の情報を組織化し、誰からでもアクセス出来るグローバル型データベースの構築」が彼らのテーマです。そのコンセプトに基づいて、色々なサービスを提供し、そのインターフェースを公開することにより、サービスインフラとしての位置を目指しています。GoogleEarth、Maps、イメージ検索など。
また、関連キーワードとしてロングテール効果、マッシュアップ(Zimbra)、Goolezonが注目されます。
■Gyao
パソコンへの本格的映像配信サービスです。無料である事もあり、既に600万人以上の加入者がいます。同様のサービスでは、「eo光テレビ、OCNシアター、そして、第二日本テレビ、フジテレビOnDemand」があり、携帯電話でテレビが見られる「ワンセグ」と合わせ、通信と放送の融合ビジネス
モデルです。
■ブログ
「書くことの手軽さ、双方向による親密化、無料サービス化」などにより、既に、800万人以上の人々が、毎日、自分の思い、日々の記録をWebに書いています。更に、企業内でも、情報共有化、顧客との親密化等のブログの特質を活かし、急速に、広まっています。RSS、トラックバックセンター、イントラブログ、Technorati、ブログコミュニティがキーワード。
■mixi
ブログベースのコミュニティサイトで、その汎用的な繋がりからSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と言われますが、既に参加者は500万人を超えたといわれています。気のあった仲間の様々な情報交換の場として、使われています。最近は、地域限定、シニア向け、女性向けなど層別型SNSが、気になる動きです。
社会的公器という点では、Wikipediaの動きには、興味がありますね。
ここに書いた動きを感覚的にでも、理解されている経営者の方は、ビジネス感覚が高い方でしょう。
これはこれから述べるIT経営を実現されている企業にも、共通して言えます。
新規のキーワードありましたら、グーグルで検索してみては如何でしょうか。
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3年前からITを活用して、企業業績アップを図って来た中小企業の事例を紹介する「IT経営百選」と言うものがあります。
Web対応を会社の戦略的アプローチとして位置づけ、会社の再構築と業績アップを図って来た事例を2,3紹介しましょう。
■東海バネ工業株式会社
金属バネの設計、製造、販売をしています70名ほどの会社です。
「損はしないが、儲からない」経営状態から、
・Web営業による少ない経費での新規顧客開拓
・Webによる材料在庫情報開示による在庫削減
他の実施により、100件3000万円以上の新規受注化を達成しています。
■昭和電機株式会社
電動送風機、集塵機製造販売をしています160名ほどの会社です。
更なる成長軌道に乗せるために、
・お客様の要求のある技術図書(図面など)や問い合わせに対して、Webサイトに公開し、技術力のPR
・色々な相談を受ける「is工房」をWebサイトに創設した。
工房の登録会員数は、1万名を超え、質問アクセス数も8万件を超えたとの事。
■e-セラ・リフォームコンソーシアム
メンバー12社によるタイル工事施工、住宅設備機器、増改築工事の共同Web構築をコンソーシアムと言う形で実現しました。
・商品販売だけでなく、Webによる全国ネットが工事力、サービス力でも評価されている。
・Webサイトからの情報発信力により、まず、タイルに興味を持ってもらい、リアルの店舗で、実際に触り、商品、サービスの受注へ。
■S株式会社(まだIT百選登録はされてません)
機械、工具等の販売を50名ほどで行っています専門商社です。
更なる業績向上を目指して、ブログによるWebサイトを構築、
・全社員がブログを持って情報発信し、自らを「情報発信業」と規定した。
・ブログの双方向性を活用し、顧客関係、社員関係について濃密な関係を構築している。
まだ、半年ほどですが、既に、60件ほどの新規引き合いが出ています。
なお、蛇足ながら、紹介の事例も含めて、成功している会社は全て、まず、キチンと「経営戦略策定」を全員参加に近い形で、実施しています。
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IT経営を実施されようとする企業の多くは、
「新ビジネスモデル構築へのITの活用」
「営業、マーケティングへのITの活用」
「コミュニケーション高度化」
などのIT活用・経営改革戦略を策定します。その半分以上は、Webをどう活用するか?が大きなポイントとなっています。
Webは前半にも、事例を挙げて説明しましたが、圧倒的なボリュームと速さで、進化しています。是非、その動きの一端でも、ビジネスモデルの中に、組み込めば、更なる自社の発展に、貢献出来るでしょう。
例えば、ブログの全面活用は、会社全体のモチベーションアップ⇒業績アップの好循環を創りだし、SNSは、その会社の有力顧客の囲い込みにも使えます。
多数の消費財を扱う会社では、ロングテール効果を出す仕掛けを考えるのも、一つかもしれません。
Webの進化は、様々な形で、中小企業各社の発展に寄与していきます。
■執筆者プロフィール
小久保 弘
本年1月、ITメーカを早期退職し、「地域活性化とIT」をキーワードとして、新規事業化を目指しています。
NPO法人ITコーディネータ京都 理事他2つのNPO理事を兼任。
中小企業基盤整備機構の販路開拓コーディネータ。
現在、ブログの持つ資質にほれ込み、京都産業21にて「ビジネスブログ研究会」を主宰しています。
関連サイト
「オッサンの元気で日本を創ろう」
http://kokusan.cocolog-nifty.com/ossan/
「プロジェクト縁ーITコディネータと共に」
http://blog.livedoor.jp/xp671280/
「アユルベーダー癒しの世界」
http://blog.goo.ne.jp/xp671289/
「Project縁」
http://www.project-en.jp/blog/
「滋賀ブログコミュニティ」
http://www.shigacom.net/DotNetNuke/
「NPO法人 ライフステージ支援ネットワーク」
http://www.lifestage-net.com/