最新ケータイのビジネス活用法/杉村 麻記子

 従来よりノートパソコンを外出先で利用しているビジネスマンをよく見かけます。しかし、最近は情報セキュリティ強化の視点から、持ち出しするリスクが高まっているはずです。
 そのパソコンにかわって注目されているのが携帯電話(ケータイ)です。その背景には、通信の高速化、高機能化に加え、新たなモバイル端末の登場により、携帯電話でできることが格段に増えてきたことがあげられます。
 加えてウイルス感染などのリスクが現時点では比較的低いことや、紛失・盗難時の情報漏洩防止のため、各携帯キャリアによるセキュリティサービスを充実させてきたことがあります。

 ビジネスでのケータイ活用法としては、営業活動の効率化や営業強化を実現するための「営業支援」、保守・修理要員の活動を支援する「フィールドサービス支援」などがあげられます。活用事例を以下に簡単にご紹介します。

 情報関連中堅会社のA社では、業務拡大により営業マンの地方への移動が多くなり、スケジュール調整や営業活動など情報共有の問題が生じていました。そのために、モバイルパソコンを持ち歩き、顧客情報の検索や活動報告などを行う営業支援システム利用していました。
 しかし、情報漏洩問題に対処するためパソコンの持ち出しを制限することとなりました。そこで、注目したのが携帯電話です。携帯電話をつかった営業支援システムサービスを新たに利用し始めました。営業マンは、自分のスケジュールやお客様の情報をケータイから確認し、新たな予定を追加します。またその日の商談内容を報告・更新します。
 会社では上司がケータイ経由で報告された商談状況をチェックして、個別に指示をします。また、お客様から問い合わせを受けた事務スタッフが営業マンの予定を確認して対応することができます。
 このように、ケータイを活用して、移動時間や受注処理や報告書作成などの作業を削減した時間を、顧客対応や商談、提案作成の知的作業など有効に活用することができるようになりました。

 事務通信機器を製造販売しているB社では、機器販売後のメンテナンスについて、保守サービス契約をして提供をしています。B社ではケータイならではの機能である「GPS」を活用したフィールドサービス(保守要員)むけのしくみを構築しました。
 サービスマンは、市販のGPS携帯電話をもって現場に向かいます。ケータイ画面から1日の作業予定や顧客情報、事務所スタッフからの連絡事項などが確認できます。そして、自分自身が移動中なのか、修理をしているのか、終了したのか等の活動状況を即時に報告できます。
 一方事務所のスタッフは、サービスマンと直接連絡を取らなくても、どこにいるかの位置情報をインターネットの地図上で確認ができ、作業予定や進捗状況の把握ができます。急な障害などの申し出があった場合には、現場に最も早く駆けつけて修理のできる要員を即座に判断して対応します。サービスマンの管理者は、1日の予定がこなされているかを確認し、進捗が遅い要員のフォローをします。業務効率の向上だけではなく、お客様へのサービス品質の向上にもとても役立っています。

 なお、携帯電話についても、社外に持ち歩くことから紛失盗難の可能性があります。上記の事例のように業務端末として活用されるほど、情報漏洩のリスクが高まります。携帯電話のセキュリティ対策は、「リモートロック、データ削除機能」や「ウイルススキャン機能」などの携帯電話キャリアが中心となって急速に進められています。今後更なる強化がなされることに期待しています。

 これまでご紹介してきたような携帯電話を使っての営業支援やサービスマン支援のしくみは、セキュリティとソフトウェアの機能などをあわせて、外部のプロバイダーが、ネットワーク経由で提供しています。この場合は、多大なシステム初期投資が不要となます。中堅中小企業にとって、比較的導入がしやすいサービスとなっています。皆様もこれらの「ケータイ新機能」の活用を自社で一度検討してみてはいかがでしょうか?

注:ソフトバンクビジネス+IT 中堅中小企業 情報化の処方箋 14巻
  最新ケータイのビジネス活用法(07/02/20) 杉村麻記子著 より抜粋


■執筆者プロフィール

杉村まきこ (m.sugimura@nifty.com)
ITコーディネータ 中小企業診断士
NPO法人ITコーディネータ京都 理事 広報部長