知恵の経営はじめませんか/中川 普巳重

  新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
 今日は、「知恵の経営(=知的資産経営)」実践モデル企業認証制度について
ご紹介します。本制度は、平成19年4月に施工された「京都府中小企業応援条例」
に基づき開始されたものです。
 ここで言う「知恵」とは知的資産のことであり「中小企業の強み」のことです。
経営者のこだわりは何か、製品・サービスの特長は何か、競争力はどうか、人材
は、技術は、ノウハウは、顧客との関係性は、ネットワークは、などの「わが社
ならではの知恵の保有状況」について数値や写真や図を盛り込んで誰が読んでも
わかりやすい「知恵の経営報告書」としてまとめていきます。
 報告書作成においては、認証されることを目指すのはもちろんなのですが、作
成プロセスそのものがとても重要であるように思います。実際に作成された企業
さんでは、経営者自信が改めて自社の知恵を認識し頭の整理ができた、今後の事
業戦略の方向性が見えてきた、社員と共に作成することで組織が活性化し機動力
が高まったなど、マネジメントツールとして、コミュニケーションツールとして
の効果が見られているようです。

【報告書作成支援事例】                 
 平成20年10月28日付けで京都府中小企業「知恵の経営」実践モデル企業として
認証された、(有)京都情報化支援事務所 取締役所長 福竹康志氏(京都リサ
ーチパークスタジオ棟入居)の報告書作成支援事例をご紹介します。
報告書はこちら ⇒ http://www.convi.jp/kiss-chienokeiei.htm

 京都の地において「100年、200年と永く存続し続けられるような、社会に貢献
できる企業でありたい」という経営理念のもと、IT化が遅れている児童相談を
初めとする福祉分野を重点事業領域として、組織向けに「児童相談所向け業務支
援システムCCMS」、ケースワーカー個人向けに「ケースワーク情報管理ツー
ル(KeepWatch)」を展開中の企業さんです。

 認定後、福竹さんに感想をお聞きしてみました・・・

【感想】
 書き始めはナビゲーターのリードに身を任せ、いろいろ話をしていく中で脳が
活性化されました。書き進む中でどんどん整理され、これまで頭の中で考えやっ
てきたことが書くことでより戦略化されていったように思います。
 作成にはかなりの時間を要し、書きながら本当にこれでいいのだろうか・・・
と考え込んでしまうこともありました。ナビゲーターと2人でディスカッション
しているときにはイメージできていたことも、いざ持ち帰って書き出すとなかな
か書けず、頭の中でのイメージと「具体化=書く」ということの間には大きなギ
ャップがありました。これは誰もが通る道であり、何度も考え納得がいくまで繰
り返し書き続けることが重要だと思いました。やっと報告書を書き上げ読み返し
てみた時には、これまで考えてやってきたこと(事業)が「形」になってとても
うれしく思いました。
 報告書作成においては、ナビゲーターの存在が必要だと思います。ナビゲーター
のスタンスによって報告書の形はかなり違うものになる、それぐらい重要な存在
です。書いてみて一人では書けなかったと実感しています。ナビゲーターの存在
があったので孤独な取り組みではなかったし、大変ながらも楽しいと感じられた
取り組みでした。

 福竹さんの感想にもありましたが、「ナビゲーター」の存在が、報告書作成の
プロセスの重要性をより高めているように思います。ナビゲーターに求められて
いることは、「ヒアリング力=多くの知恵を引き出し見える化する力」であり、
経営者の思いを受け止め同じ思いでこだわり続けることだと思いました。
 何度も何度も繰り返すこと、「それはなぜですか?」「他社と何が違うのです
か?」「なぜ御社だからできるのでしょうか?」「仕事をする上でこだわってい
ることは何ですか?」なぜ?なぜ?なぜ?と何度も繰り返し質問しました。この
深堀をするやり取りがあって始めて「本当の知恵」が明らかになるように思いま
す。経営者自信が意識していなかったこと、当たり前だと思ってやってきたこと
の中に「知恵」がある、それを引き出し見える化することがとても大切なのだと
思います。

 テレビを見ても新聞を見ても明るい話題を探すのが難しい今日この頃。こんな
厳しいときだからこそ、自社の知恵についてじっくり考える良い機会なのではな
いでしょうか?「本当の知恵」が見える化でき、今後の事業戦略の方向性が見え
てきたら、自信を持って勇気を出して全社一丸となって事業活動ができるのでは
ないでしょうか?また、知恵の経営に取り組む際には、是非ともナビゲーターを
確保されることを併せてお勧めします。
 「知恵の経営報告書」はわが社を語るものです。新しくパートナーになる企業
へ、金融機関へ、営業先へ、社員へ、広く語ってみてはいかがでしょうか?


■執筆者プロフィール

中川 普巳重(なかがわ ふみえ)

京都リサーチパーク株式会社 成長企業支援部
 中小企業診断士、ITコーディネータ、日本経営品質賞セルフアセッサー、
キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Eメール  fumie-na@k4.dion.ne.jp


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