ITメタボって?/中川 普巳重

 「ITメタボ」という言葉を耳にされたことはありますか?
先日ある企業さんと話をしていた際に、「ITメタボ」という言葉が出てきました。「メタボリック症候群」という言葉は皆さんご存知のことと思いますが、そのIT版なのだとか。ネットで検索してみると、日経コンピュータが考えた造語とのことで、2006年10月30日号特集「ITメタボリック症候群」に掲載された企業あるいは組織の「ITメタボリック度」がどの程度かが診断できるチェックリストがありました。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20061031/252283/
このチェックリストはシステム開発に関する質問項目で構成されており、「ITメタボリック症候群」とは、システムが気づかないうちに肥大化することを指しているとのことです。

この「ITメタボ」という状態をもう少し企業の日常と絡めて考えてみるとどうでしょうか。
・大切なデータがなくなった事がある
・システムが停止し、業務が止まった事がある
・システムに期待した効果が現れていない
・使わない機能がたくさんある
・パッケージソフトと業務があっていないので使いにくい
・最近パソコンが遅くなって、時間がかかる
・社内LANは整備しているのに、データが共有できない
・業務は変化しているが、システムは変化していないので使い勝手が悪い
・求めているシステムの機能に対してコストが高い
・昨日まで動いていたのに突然動かなくなってしまった
・セキュリティ対策が取られていない、またどうずればいいかわからない
・システムに詳しい人が辞めてしまって聞ける人がいない
このような状況はどの企業さんにも結構あてはまるのではないでしょうか。
「そうそう、データが消えて仕事ができなくて大変だったよ。しばらくはまめにバックアップを取っていたけど、結構時間もかかって面倒だし最近は取ってないなあ・・・」こんな声が聞こえてきそうです。メタボリック症候群の方(企業)は原因がわかってもなかなか自力で改善しその状況を維持できない場合が多く、だからメタボリック症候群なのですよね。
そんなときは是非、専門家にご相談ください。現状を診断してもらい、改善策を提案してもらい、さらにトレーナーとして見守ってもらう。
「ITコーディネータ」や民間企業の「ITトレーナー派遣」など、専門家がITに関する体質を分析し、ITメタボの改善策や予防策を提案し、スッキリとした企業体質を保持するお手伝いをしてくれることと思います。

ITコーディネータ京都 会員一覧
https://www.itc-kyoto.jp/about/member/


■執筆者プロフィール

中川 普巳重(なかがわ ふみえ)
京都リサーチパーク株式会社 成長企業支援部
 中小企業診断士、ITコーディネータ、日本経営品質賞セルフアセッサー、
キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Eメール  fumie-na@k4.dion.ne.jp