電子納税など/中川 秀夫

(1)電子納税

電子申告関係のお話であります。申告したあと、税金を納めていただくわけですが、この税金の納付も電子納税ということを最近ちらちら聞くようになってまいりました。今年の9月からの新たな納付の方式として『ダイレクト納付』なるものが開始されています。

国税庁のパンフレットを見てみます。
(http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/e-tax/direct.pdf)

「ダイレクト納付とは...事前に税務署に届出等をしておけば、e-Taxを利用して電子申告等の送信をした後に、届出をした預貯金口座かた、ワンクリックで即時または期日を指定して納付することができる新たな手段です。」と冒頭に書いてあります。

続いて、「ダイレクト納付のメリット」です。

a.自宅や事務所から納付ができます。
b.電子申告等の送信後、ワンクリックで納付手続完了します。
c.インターネットバンキングの契約が不要です。
d.期日を指定して納付することができます。
e.税理士に依頼して納付手続ができます。
f.源泉所得税、法人税、消費税、所得税、印紙税、酒税での利用ができます。

この制度を利用するには、e-Taxで電子申告できる環境があることが前提です「ダイレクト納付利用届出書」を提出します。提出約1ヶ月後から利用できるようになります。電子申告ソフトのメッセージボックスへ「ダイレクト納付登録完了通知」が届くと利用可能です。

利用可能な金融機関の口座をお持ちで「電子申告」をすでに利用している方は、年末調整や確定申告の1ヶ月前までに「ダイレクト納付利用届出書」のご提出をお勧めします。

(2)社会保険料

年末近くにパートやアルバイトをされている主婦の方とお話をしていますと話題が賃金のことになります。

「年間の給与収入を130万円までにしないと抑えないといけない。」をおっしゃるんです。この金額を超えるとサラリーマンのご主人の扶養になられている方が、自分自身の収入で社会保険料を納めなければならなくなり、給料から社会保険料が控除されることになるからです。多くの時間働いても、かえって収入が減ってしまうことになります。しかも、保険料負担以下の超過勤務ならば、130万円の人より手取が少なくなってしまいます。皆様もご承知のお話です。

ただし、ご承知の皆様の中にも、『対象の金額が、130万円ではなくて、103万円では?』とおっしゃる方もおられると思います。確かに、以前は103万円をいう方のほうが多かったように思います。年間の給与収入が103万円を超えると所得税の配偶者控除の対象者からはずれるからです。そして、以前は、配偶者特別控除も併用して適用できていましたので、2つの控除が使える給与収入ラインが103万円だったからです。

でも、現在は併用して適用できなくなっています。今の制度だと、103万円を超えると配偶者控除は対象者からはずれるけれども、今度は配偶者特別控除の対象者になります。給与収入金額103万円より逓増していくと配偶者特別控除の控除金額が逓減していくようになっています。したがって、控除してもらえる金額はだんだんへってきますが、手取額が逆転してしまうことはありません。

そのようなことがあり、『今は130万円が主流?』のようです。
社会保険料の負担額も、配偶者特別控除の方式をならって保険料の負担の導入部分も負担額がゆるやかに逓増していくようにして、手取額の逆転が気にならない程度まできめ細かく設定できないものかと思ってしまいます。

130万円で壁をつくらないほうが、日本全体の労働力確保のためにもなりましょう。皆様はどうお考えになりますか?


■執筆者プロフィール

中川 秀夫(なかがわ ひでお)
税理士、ITコーディネーター、CFP(1級FP技能士)、
不動産コンサルティング技能登録者
IT投資に関する支援を新機軸に経営計画、 

建設投資、不動産に関する業務サポートを展開中 。
お問合せ先:naka.h@dream.com