リテラシーって何? ─ Twitterから思う事/高松 崇

 2005年に亡くなった経営学の巨人「ピータードラッガー」の示唆すること
は、現在もなお、多くの事柄が当てはまります。
経営学・社会学等人材のメネジメント理論で著名はドラッガーの考え方は、昨年
末に「もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメン
ト』を読んだら - ダイヤモンド社)」という一般の方にも読みやすい題材で
社会現象にまでなりました。
 しかし、一方でドラッガーはIT(情報技術)に関しても、非常に多くの現代の
情報技術に関して警笛を鳴らしています。
 2002年に和訳されました「ネクスト・ソサエティ」の中に、現代の情報技
術に関する警告が多く記されています。2002年と言えば先駆的な人達がWeb2.0
の考え方に基づき、インタラクティブなWEBの活用を模索し始めた頃です。
この時期にドラッガーは次のように著書に記しています。

 『情報を道具として使うようになるや、それが何であり、何のためであり、ど
のような形であり、いつ得るべきであり、誰から得るべきであるかが問題となる。
そしてそれらの問題を検討するや、必要な情報つまり重要な情報は、現在の情報
システムでは得られないことを知るにいたる。』 

      この意見に対して私も最近非常に実感しております。

 数年前には、IT関連でのリテラシーと言えば、主にコンピューターリテラシ
ー(コンピューターを使える能力 広義では操作方法)のことを意味することが
大半でした。
 現在、京都市の小中総合支援学校でICT活用支援員という仕事をしておりま
すが、教育現場においてもまだまだリテラシーの向上と言えば、「子ども達のパ
ソコン操作技術の向上」 と考えている先生方もたくさんいらっしゃいます。
しかし、現在のコンピューター 特にiPhoneやiPadのようなデバイスはどうで
しょうか? ボタンは一つしかありません。 操作技術の習得はほとんど必要あ
りません。 わからなくなれば唯一のボタンを押すしかありませんから・・
6歳の息子もiPodは自在に操作して音楽、動画、ゲームを使いこなしています。
 
 このようにデバイズが日々進歩してくると、問題となってくるのは情報リテラ
シー(情報を上手に扱うための基本的な知識や能力)のほうが大事になってきて
います。
情報リテラシーとは
1.情報の入手 無駄な苦労をせずにいかに目的とする情報を得るか
      複数のリソースから、いかに適切なものを選択できるか
2.情報の理解と評価 正しい情報を判断する能力
3.情報の的確な作成 
4.情報の的確な公開
のそれぞれの能力をつけることが必要とされます。

 これだけ情報が氾濫してくると、読んでもよく分からない情報が数多く発信さ
れ、書き手も読み手も無駄な時間を浪費することになります。(私もその一人で
すが・・)まさに、書き手悪し、読み手悪し、社会悪し 近江商人の三方良しと
は全く反対の状況になっているような気がします。

 私も数週間前からTwitterを始めました。Twitterを企業に活用するような話
題がネットでも書籍でもたくさん発信されています。どんなものか使っています
が、今のところ私にはまったく良さが理解出来ていません。
わずか数件しかフォローしていませんが、毎日たった140文字とはいえ数百件
のつぶやきがそれこそ洪水のように押し寄せてきて、仕事のメールの処理に数時
間それからTwitterのつぶやきを、それこそ解読するのに数時間を消費してしま
します。最近ではギブアップ気味で「すべて既読にするのボタン」を毎日押すだ
け。まさにTwitterを使いこなしているが、何も得ていないという状況が数日続
いています。それなのに何故かフォローしてくれるありがたい人たちが日増しに
増え、有益な情報を発信しなければ・・ というストレスばかりが増していきま
す。
特にTwitterの場合「即時性」という特徴から、ほとんど女子中学生の携帯を手
放せない・5分以内にメール返信をしないと「しかと」していると思われる状況
と同様に、時間があればスマートフォンで「つぶやきのチェック」iPhoneが手放
せないという状況の人もいるかもしれません。
コストパフォーマンス(対費用効果)で判断した場合、1日24時間という時間
の中で、どんどん情報を選別するという時間が増えてきている現状ってどうなん
でしょうか?

 このことは、Twitterというアプリケーションを正しく活用する「コンピュー
ターリテラシー」が欠如しているのか? 世界中の人たちがどんどん発信し続け
る情報の洪水の中から自分に必要な情報を抽出する・活用する能力「情報リテラ
シー」が欠如しているのか? 果たしてどちらなんでしょう?
私のように、情報の洪水に踊らされ気味の方がいましたら是非「リテラシー」に
ついて、パソコンもスマートフォンも携帯も手から離して、ゆっくり再考されて
みてはいかがでしょうか?


■執筆者プロフィール

高松 崇(たかまつ たかし)  memis代表
ITコーディネーター・システムアナリスト
中小企業基盤整備機構 経営支援アドバイザー
京都府「知恵の経営」ナビゲーター
mail: takamatsu@memis.jp 
http://memis.jp

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