給与についてあれこれ/中川 秀夫

 もともと給料から所得税が天引きされている分を年間で精算して、余分に支払
っている分があれば還付されてくるだけなので、決して得しているわけではない
のですが、年末調整の結果頂ける還付金を喜んでいる自分に気づくサラリーマン
の方もおられることでしょう。
 年末調整の際に、会社に提出する用紙で「給与所得者の扶養控除等(異動)申
告書」と「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申
告書」というのがありますよね。
 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の平成23年度分の記入用紙は、
子供手当をもらうこととなった関係で、その分扶養控除が減るので、それに対応
した様式になっていましたね。早速、1月の給料から天引きされる所得税が増え
た方もおられたことでしょう。

 「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」
の方では、保険料の控除証明書を添付して提出するのですが、生命保険料の控除
は、一定の金額が限度になっているにもかかわらず、「これでもか」と非常にた
くさんの生命保険料控除証明書を添付されておられる方を見かけることがありま
す。やはり、将来の生活設計のことを考えて、たくさん保険に入られているので
しょうね。生命保険の関係だけでも、定期保険に始まり、医療保険やがん保険、
個人年金保険などがありますね。それに損害保険の分野で火災保険や地震保険、
賠償保険や自動車保険などたくさんあります。

 みなさん、どれくらいの保険に加入しておられるのでしょうか。気になって、
調べてみました。
 (財)生命保険文化センターというところで「生命保険に関する全国実態調査」
を何年かおきに調査していました。平成21年版〈速報版〉を拝見してみました。
 全生保の世帯加入率(個人年金保険を含む)は90.3%という結果です。
ほとんどの方が加入している状況ですね。そして、世帯加入件数(個人年金保険
を含む)は、全生保で4.2件となっているそうです。生命保険(個人年金保険
を含む)の世帯年間払込保険料は、全生保で45.4万円です。古くから右肩上
がりの状態が続き平成9年がピークで67.6万円、その後、減少傾向が続き、
平成21年で45.4万円となっています。それでも月4万円弱が保険料です。
お父さんのお小遣いより多いのではないでしょうか。家が買えますね。住宅ロー
ンも支払いながら、がんばって支払っておられる方は、還付金の喜びもひとしお
でしょう。

 生命保険料控除に関する調査もありました。生命保険料控除制度や個人年金保
険料控除制度についての考え方を尋ねたところ、『維持・拡充』(「控除額を拡
充してほしい」と「今の水準で存続してほしい」の合計)が89.9%と9割近
くを占めている結果です。保険会社の方にご満足いただける結果のようですね。
 さらに、生命保険料控除制度や個人年金保険料控除制度が仮に拡充された場合、
今後の生命保険(個人年金保険を含む)への加入についてどのようにするのかの
質問に関しては、「将来、生命保険の保障内容を充実させる際の励みになると思
う」が28.2%、「新たに生命保険に加入したり、現在加入している生命保険
を見直し、より充実した保障内容にすることを検討しようと思う」が20.6%
となっており、少しのインセンティブでも、半数以上の方が前向きなのです。そ
の結果を反映したわけでもないでしょうが、平成24年から介護医療保険料控除
も加わり、生命保険料控除は少し拡充するようですね。

 昨年の12月16日に平成23年の税制改正大綱が公表されましたが、ここに
も給与に関する話題がありますね。みなさんすでに新聞記事等でご確認のことと
存じますが、給与所得を計算する場合、いわゆる給料の額面金額から給与所得控
除を引いて所得としていますが、この給与所得控除(概算の必要経費のようなも
の)に控除の上限を決めて、給与収入1,500万円超は一律245万円で控除打ち止
めとなります。それ以上の給料は控除なしで、給与額がそのまま所得額というこ
とのようです。会社の役員の方は、さらに厳しくなります。
 一般のサラリーマンだと、あまり影響のでる方は少ないでしょうが、高額所得
の方を一律に厳しくすると、将来、高額所得者になろうとがんばる若者がますま
す減ってしまうのではないかと心配してしまいます。平成23年度の税制改正の
核心は「雇用と格差是正」となっております。格差のない社会で野心は捨てて、
並みの雇用で満足してみんなで仲良く暮らしましょうということなのでしょうか。
そんなわけないですよね。私の解釈が間違っているようですので、ここらで失礼
いたします。


■執筆者プロフィール

中川 秀夫(なかがわ ひでお)
税理士、ITコーディネーター、CFP(1級FP技能士)、
不動産コンサルティング技能登録者
IT投資に関する支援を新機軸に経営計画、
建設投資、不動産に関する業務サポートを展開中 。

お問合せ先:naka.h@dream.com

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