iPadに代表されるタブレット端末の市場が大きくなっています。
ICT総研の2011年8月2日の調査によると、2010年の国内タブレット端末市場は81万台、2011年では前年比2.3倍の188万台になると予想されています。
iPad以外ではAndroidOSを搭載したタブレット端末は、海外メーカーの他にソニー、シャープをはじめとした国内企業が、生産や販売を開始しています。
では、このタブレット端末を中小企業ではどのように活用すべきでしょうか。
個人が利用するタブレット端末は、1、メールやブラウザで情報を取得する、2、アプリケーションをダウンロードしパソコンの代替として利用する、3、カメラやGPSと組み合わせてブログやFaceBookで情報を発信するという使い方があるでしょう。
今のところ、中小企業でタブレット端末を利用するのは、資料の電子化が有効です。このなかでも社内と社外の利用シーンに分かれると考えます。
社内では、会議の資料を電子化しタブレット端末で表示するのがよいでしょう。
社内の会議や打ち合わせの場で、資料は紙に印刷せず、タブレット端末で表示して利用するという使い方です。
少人数の簡単な打ち合わせの場では、資料を印刷して持ち込むより、タブレット端末に資料を表示し、情報を共有してみましょう。資料を印刷して打ち合わせに望むのでなく、必要な情報をタブレット端末に取り込むのです。また社内のドキュメントサーバーから蓄積した情報を取り出して、その場で必要な情報を確認しながら、スピーディーに打ち合わせを進めることができます。
人数が多い社内の会議では、会議資料の事前準備が必要です。印刷する時間を見計らって資料作成の期限を決め、資料提出を促す必要があります。タブレット端末を使うことで、事前準備を少なくすることができます。印刷する手間を省き、紙代や印刷代、作業の人件費を削減することができるほか、紙の使用を減らすことで環境対応をアピールすることができます。
現在では、タブレット端末に表示した資料に、手書きで注意点や強調したい点を書き込むアプリケーションがあります。これを使ってプロジェクターや大型ディスプレイに表示して、即座に情報を共有することが可能です。
具体例では、文具メーカのコクヨが、会議のペーパレス化を目指して1500台のタブレット端末を導入するそうです。
社外の利用方法は、タブレット端末に営業活動における様々な資料を保存し、顧客に提示することです。カタログや提案書など多くのかさばる資料を持ち出し、顧客の顔を見ながら、より必要性の高い情報を顧客に提示することができます。
また写真や資料は必要な部分を拡大できるため、顧客にはよりわかりやすく説明でき、顧客の納得感から受注につながりやすくなります。
具体的には、住宅メーカーや工務店が壁の種類や色、キッチンなどの色や形を施主に対して提案するのに役立てています。
もし顧客が印刷物を求めている場合や、印刷した資料を渡す必要がある場合は、クラウドサービスを利用しコンビニエンスストアで印刷することができるようになってきています。
このようなタブレット端末を導入し、コスト削減や売上増加に結びつけていきましょう。
■執筆者プロフィール
山口 透(とおる) toruy55@nifty.com
流通業や製造業等でIT戦略策定支援やバランススコアカードの導入、
デジタルサイネージの導入支援などを行っている。ITコーディネータ、システム
アナリスト