「ごっこ遊び」と「社会性」/中川 普巳重

 「ファンタジーリカちゃん シリーズ」新発売の記事を見てびっくりした私。
リカちゃん史上初!ごっこ遊びをサポートするアニメDVDが付属というもの。
女の子に広く知られている「シンデレラひめリカちゃん」「しらゆきひめリカち
ゃん」「おやゆびひめリカちゃん」がDVDの中で、「ごっこ遊び」を始めるき
っかけやお手本となったり、さらに想像力を膨らませて自分のオリジナルストー
リーをつくる参考になるらしい。保護者向けにも遊び方をわかりやすく説明した
「ごっこ遊びナビ」やアニメーション3種類の「ダイジェストムービー」が収録
されているとか。我が家は4歳5カ月の息子ですので実際に購入はしていません
が、リカちゃん人形で友達と一緒に「ごっこ遊び」をごく当たり前に楽しんでい
た私にとって、結構衝撃的な商品でした。

 株式会社ベネッセコーポレーションの「こどもちゃれんじ」を時々購入してい
る我が家ですが、やはりここでも教材と一緒にDVDが届きます。DVDの中で
同世代の子供や「しまじろう」が教材の使い方を解説しているのです。確かにわ
かりやすく、他にもいろんなプログラムが入っていて何度見ても楽しいのですが。
ちょっと丁寧すぎでは?と思うこともしばしばです。いま息子のお気に入りは「ひ
らがな・かずマシーン」です。毎月届くカードをマシーンにセットすると、「しま
じろう」が問題を読みあげてくれて、声に従ってひらがなやかずのキーボードを
押していくといもの。正解すると「ピンポーン」と音も鳴ってうれしそう。もち
ろん不正解だと「ブッブー」です。好奇心を持って楽しく学習しているので良い
のですが、本当にこれでいいのだろうか?と正直なところ疑問も感じています。

 一問一答的なやり取りへの反応は早く確実になって行くように感じられますが、
教材に無い問題や関連性、応用性の高いことを問いかけると答えるのに苦慮して
いるようです。テレビ、ゲーム、DVD等ビジュアル情報が豊富な中で育つせい
か、動体視力は良さそうですし、ビジュアル的記憶もなかなかのものです。しか
し、本質を理解しているかどうかは疑問です。自分でひらがなカードを書いたり
して創意工夫して学んでいた自分の子供時代との差を感じずにはいられません。

 先にご紹介したリカちゃんは女の子の「ごっこ遊び」の王道だったはず。それ
が遊び方を解説しなければならなくなっているわけです。おもちゃ売り場に行っ
て「ごっこ遊び」向けのおもちゃという視点で見てみると・・・「ままごと」用
に本格的なキッチンセット、レジスターセットやレストランセットもあります。
どれもかなり親切丁寧な感じです。男の子向けと言えば、ソフビ人形、合体ロボ
系、カードゲーム向けのもの多数です。やはり遊びがお膳立てされている感じが
するのは気のせいでしょうか。我が家では流行りの仮面ライダーや戦隊物はもち
ろんありますが、意識的に積み木やブロック、パズルやぬりえ、折り紙や絵本と
いったシンプルなおもちゃで遊ぶように持ちかけています。その中から創意工夫、
オリジナルの楽しさを見つけてくれればと思います。

 さて、なぜこんなおもちゃの話をしているのか?ですが、「ごっこ遊び」を通
じて子供たちは自然と「社会性」を身につけているということをテーマにしたか
ったからです。「ごっこ遊び」を通じて、自分達が決めたルールを守り、役割を
担い合って一定の目的を達することに満足感を感じています。いつか社会の中で
やることを、親たちの真似をしながら遊びの中でやってみているわけです。つま
り、社会性は、幼児期の十分な遊びの体験から自然と身についてくるのだと思い
ます。友達と遊び、家族で遊び、複数の家族で遊び、社会性を身につけていくこ
とが大切だと思っています。

 もう子育てはとっくの昔に終わったよという方、「社会性を身につけないまま
に社会に出てきた人たちが入社してきていませんか?コミュニケーションの勝手
がわからないとお感じではありませんか?」

 昔、ある会社の採用面接をお手伝いした際に、趣味について質問をしました。
音楽をやっていた学生でしたので、楽譜を見るのか耳コピーをするのかと聞きま
した。彼は耳コピーやオリジナルもと答えたので採用しました。後に社会性を発
揮して創意工夫で部署を盛り上げてくれました。学校の成績だけではわからない
ことをいかに引き出すか、「ごっこ遊び」の体験は1つの切り口になるような気
がします。また、「ごっこ遊び」が不足していたと感じられる場合には、社内業
務で「ごっこ遊び」の要素を取り入れてみるのはいかがでしょうか?例えば、シ
ミュレーションゲームやロールプレイングゲーム等です。OJT(On-the-Job
Training)として当たり前にやっていることかとは思いますが、意識的に改めて
場を設定して、ケースを用意してある一定のルールの中で役割を演じ合いやって
みることをお勧めします。


■執筆者プロフィール

中川 普巳重(なかがわ ふみえ)
近畿経済産業局 中小企業支援ネットワーク強化事業 上級アドバイザー
(財)京都高度技術研究所 経営・新事業創出支援本部 コーディネータ
中小企業診断士、ITコーディネータ、日本経営品質賞セルフアセッサー、
(財)生涯学習開発団体認定コーチ、キャリア・デベロップメント・アドバイザー、
Eメール  fumie-na@k4.dion.ne.jp 

公式Facebookページはこちらから

<いいね>をクリック!