5月21日(日)の夜の9時からNHKスペシャルで 「“笑い”がビジネスを変える」というタイトルの番組が放送されていた。ご覧になりましたか?
今、日本企業の中に“笑い・ユーモア”に活路 を見出そうとする動きがある。
去年7月には、日本を代表するIT企業の面々が、共同で「笑力研究会」を発足させた。落語などに通っては笑いの 極意を研究、ソフト開発に携わるメンバーのモチベーションアップに活かし、厳しい国際競争を勝ち抜こうと活動している。
また、大手損害保険会社のコールセンターでは、多くが契約スタッフという雇用形態の中で、社長自らユーモアセンス溢れる数々のアイデアを打ち 出し、スタッフの士気高揚に取り組んでいる。さらに、堅いイメージを持つ銀行マンたちも、柔軟な発想力を身につけ顧客の気持ちをつかもうと、寸劇を演じるなどの研修をはじめた。
番組は、「笑いの効用に関する医学的、社会学的な研究データも交えながら、笑いやユーモアが、企業のビジネスをどう変えようとしているのか、その最前線をリポートする。」というものだった。
(NHKスペシャルのHPより)
このような内容の番組だったが、その「”笑力研究会”を発足させた日本を代表するIT企業の面々」の方々はIPO(情報処理推進機構)の方々だった。
笑いの研究に、いろんな舞台をみたりや笑いの専門家(伊東四朗さんでした)や大道芸の達人にお話を聞きに行かれたりしているのだが、どこへ行くにも”笑力研究会”メンバーの方は、ネクタイ、スーツ姿が印象的だった。
ビジネスのための笑いを求めている様子だったが、ビジネスを超えないことには笑いに至らないように思う。したがって、苦笑いしかできなかった。
やはり酒の席ででも、自身のキャラをぶつけて頂いて、充分なコミュニケーションが取れてないと、ビジネスの商談や会議の場で、そのお偉いさんの言ったことに笑っていいのかどうか判断できない。
今年度から、多少、交際費課税も緩和(*(注))されるようなので、人を仕事中に笑わせようとするならば、ネクタイを八巻にでもして、まずは、”居酒屋で先陣をきって”といきたいものだ。
ビジネスを超え、「人間力」から「笑力」を導こう。
大酒飲みの男が居酒屋で飲みはじめる。店の小僧に、何ができるかと聞くと「えーできますものは、つゆ、柱、鱈、アンコウのようなもの、ブリに、お芋に酢ダコでございます。へえーい。」との口上。
客は小僧をからかって、「その、”ようなもの”を1人前くれ!」
と言ってみたり、
「向こうのほうに、真っ赤になってぶら下がって いるのは何だ」
「あれはタコでございます」
「赤いな」
「ゆでましたから赤くなりました」
「ゆでるとああゆうものは赤くなるのか」
「エビでもカニでもタコでもシャコでも、赤いものはなんでもゆでたもので」
「ほう、それじゃなにか、猿のお尻やお稲荷さんの鳥居、あれはゆでたのか」
「あんなものゆでる人ありゃあしません」
酒呑みは奴豆腐にさも似たり
はじめ四角であとがぐずぐず (林屋木久蔵「落語 の隠し味」より)
おあとがよろしいようで...♪♪
*(注)
平成18年度の法人税関係の改正で、交際費等 の損金不算入制度に新たに設けられた「1人当たり 5,000円以下の飲食費等」を交際費等から除外できるとする措置。
この制度の対象は、「飲食その他これに類する行為のために要する費用」で、「専ら法人の役員・従業員のために支出するものを除く」とされている。
■執筆者プロフィール
中川 秀夫(なかがわ ひでお)
税理士、ITコーディネーター、CFP(1級F P技能士)、
不動産コンサルティング技能登録者
IT投資に関する支援を新機軸に経営計画、建設投資、不動産に関する業務サポートを展開中 。
お問合せ先:naka.h@dream.com