2013年これだけはおさえておきたいキーワード/杉村 麻記子

 新年あけましておめでとうございます。ITコーディネータ京都の杉村です。

 旧年中は公私共々大変お世話になり誠にありがとうございました。

 いよいよ2013年が始動します。皆様にとって素晴らしい1年となることを心より

祈念いたします。

 元日のメールマガジンを担当したということで、2012年の振り返りと2013年に
企業経営を取り巻く環境に関連して、ITコーディネータとして注目をしておきた
いキーワードを紹介したいと思います。


1.政権交代の行方、経済の情勢は? ~金融円滑法の延長期限到来、消費税率8%へ~
 2012年度は、震災からの復興を果たしつつも、円の独歩高、欧州の金融危機、
日中関係の悪化や中国経済の減速など非常に厳しい状況が続きました。
 政権交代後の自民党では、10兆円規模の補正予算案の編成やデフレ脱却に向け
た2%インフレターゲットなど新たな施策を打ち出しています。具体的には、震災
復興、防災・減災対策の公共工事が中心とのことですが、中小企業に向けての施
策も含まれるでしょう。
 また今年の3月末に中小企業金融円滑化法の延長期限が到来します。金融機関
や新政府に継続的な支援体制が確立されれば、企業倒産が急増することは考えに
くいでしょう。しかし、抜本的な事業再生へシフトできない企業が徐々に倒産に
追い込まれる危惧があります。
 これまでも同様の課題に企業は直面してきたと思います。抜本的な対策がなく
とも何とか乗り切れていたケースも少なくなかったかもしれません。しかし現状
の経済や世界情勢を考えると、本当の意味で何らかの手を打たないと厳しいので
はないでしょうか?
 2013年の下期は、2014年3月に予定されている消費税増税前の駆け込み需要な
どにより一時的に市場が活性化するでしょうが、その後の反動も懸念されます。
これらを考慮してあたらしい商売のやりかたを考えることが必要です。そのヒン
トの1つは、企業としてのブランディングやコミュニケーションのあり方やスマー
トフォンやタブレット端末などのモビリティの活用にあると思います。


2.ソーシャルコミュニケーションのさらなる普及 ~Facebook、Twetter、LINE~
 TwitterやFacebook、LINEなどのソーシャルメディアはここ数年で普及し、今
ではすっかりコミュニケーション手段として定着しました。Facebookは日本で
1700万人、世界で10億人人が利用してます。またLINEは日本で3600万人、世界で
8000万人と急速に利用者数が増えています。大きな特徴としては、単に個人同士
のつながりだけではなく、企業と個人をつなぐメディアとして加速度的に普及し
ていることがあげられます。
 これにより情報の流れが、
  ※企業-→マスメディア-→消費者 だけではなく、

  ※生活者-→ソーシャルメディア-→企業  や、

  ※生活者→ソーシャルメディア(コミュニティ)←生活者
           ↑
          企 業  

 のように、複雑にかつ高速につながるようになりました。
 企業がブランディングを促進したり、マーケティング活動を行う上で、ソーシ
ャルメディアの利用は、もはや避けては通れないことは明白です。
 私自身2012年は、創業や第二創業をお考えの方々に、ソーシャルメディア活用
のお話をする機会がありましたが、その時点では「興味はあるけどまだ使いたい
とまでは考えていない」といった経営者の方も少なくありませんでした。今年は
そう思っている方々にもまずはプライベートで使ってみていただき、ソーシャル
メディアが自分の商売でどう活用できるのか?を積極的に考えてほしいと願って
います。


3.モビリティ  ~スマホ、タブレット、O2O~
 2012年はKDDIもiPhoneを発売し、Android端末も様々な種類が発売され、いわ
ゆる“ガラケー”から“スマホ”に機種変された方も多かったのではないでしょ
うか?
 スマホに加えて、もう少し大きなサイズの画面を持った“タブレット端末(多
機能携帯端末)”も、AppleのiPadやGoogleのNexus、AmazonのKindleなどアメリ
カのIT大手が市場に相次いで参入しました。大手家電量販店では、薄型TVやパ
ソコンの販売コーナーはその場所を追われて入り口付近にはスマホやタブレット
端末が多く展示されていることからもモビリティ関連商品市場の拡大傾向がわか
ります。
 IDCの調査によると、2013年の世界IT支出が前年比で5.7%増えて2.1兆ドルを
超えると予想していますが、この市場成長の最大の牽引役はモビリティとのこと
で “スマホ、タブレット、電子書籍リーダ”の販売はほぼ20%伸び、これはIT
市場全体の成長の57%を占める見通しとのことです。
 これが意味するところは、人々がパソコンなしでも、外出先でもいつでもイン
ターネットにアクセスできるということです。

 例えばあるスーパーが店舗の近くにいる登録会員の人に、タイムセールの情報
や割引クーポンを配信します。実はこの会員さんはスーパーのFacebookページか
ら“いいね”ボタンを押してスーパーの会員に登録していたとします。そしてス
マホを所有していてGPSの位置情報で店舗の近くにいることがわかるのです。
 この情報をスマホで受け取った会員さんは、実店舗に来店してお目当ての品を
購入しついでに夕食の材料も買っていく・・このようにネットとリアルを連携さ
せるようなマーケティング手法をO2O「オーツーオー」マーケティングといい、
ソーシャルメディアとスマホの普及により注目されています。オンライン(イン
ターネット)からオフライン(実店舗)への誘導を意味します。
 実はこのO2Oマーケティングは、中小企業にとっても非常に有効な販促手法と
して活用できます。Facebookページやtwitterのアカウントなどは、IT投資なし
に開設できますし、努力次第でファンやフォロワーを獲得することができます。
インターネットと実店舗をからめた展開ができるため、地域密着型の中小企業で
お客様の来店数を伸ばす施策として活用できます。価格競争で大幅な値引きをす
るだけでは、中小企業の体力では大手には太刀打ちできません。それよりもいつ
も買ってくれる地域のお得意さまに、特別な特典を提示して立ち寄っていただく
という方法が有効です。
 先行き不透明な経済状況の中では、色々と新しい取組により企業活動のあり方
を見直す必要があります。本稿でご紹介したキーワードをご覧いただき、皆様が
今年1年なにか取り組むことのヒントになれば幸いです。
 そしてなにより皆様にとって素晴らしい1年となることを心より祈念いたして
おります。

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■執筆者プロフィール

杉村麻記子(すぎむらまきこ)
中小企業診断士・ITコーディネータ
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社勤務

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