私事ですが住まいのある地域の自治会(世帯数300弱)の自治会長を3年にわたり勤めております。ピークの時は月のほとんど土日はその活動に費やされることもあります。定年退官された方であれば調整はつきやすいと思われますが、普通の会社員にとって、プライベートの時間をつぶされるのが悩みの種です。
私の住まいある市は、自治会が130弱あり、私の担当している自治会は世帯数では大きい方になります。自治会個別の事業もありますが、小学校を中心として学区に属する自治会が集まった組織での事業も運営されています。当然、自治会長はその組織の運営に携わることになりますが、種々の運営会議において、広報を含む地域コミュニケーション向上について議論されることがあり、ホームページの活用が提案されました。現状の課題として、過去の記録などが整理されていない、広報も回覧板のみでアピール力が弱い、回覧板を回してしまうと、メモをとらない限り過去のお知らせ、行事内容などがわからない、自治会活動記録が残っていないなどがあげられます。
近隣の市も含め全国各地の自治会のホームページが立ち上がっており情報発信の場と活用されている昨今ですが、当市においては、運営費用面もありますが、更新のため要員確保、コンテンツ収集などがネックとなっていまだその動きはありません。
このようなニーズは他の自治会組織もあるようで、そのようなニーズに対してホームページの立ち上げ、運用支援をするサービスを提供する企業も存在します。
初期の設定費用と月々の運用費用(コンテンツ作成、サイト管理など)を負担することで専門知識もないところでもホームページを活用できるようです。
私自身、IT屋の端くれとして、そういった問題をITの面から解決できなかということで、以下の提案を検討中です。
1.学区内にある19自治会のポータルサイトを立ち上げ
2.各自治会のサイトは個別運用とし独自色をだす
3.地元事業所、店舗の広告掲載
4.行政(市)の活動助成事業申請
自治会の運営としてはボランティアを前提としますが、PCのレンタルやサイト契約費用など最低限の必要経費については、複数自治会の運営費用を集めることでまかなうことを想定しています。コンテンツ維持、運用、設計に関しては、私も含めIT関連企業に勤めている方、もしくはその面での知識のある方が学区内3000世帯の中には何人かはおられるはずなので、そのパワーを活用する方向でいます。また費用面での補てんとして事業所、店舗広告収入、市からの補助金もある程度見込んでいます。ホームページの中身に関しては、画一的なものでなく、各自治会の独自性がでるように運営することである種の競争意識がでてブラッシュアップされるのではないかと考えています。ただし、各自治会への負担を高めない工夫が必要と思われます。ここでは、さきほどの運営担当者が、各自治会からのコンテンツ(紙、写真、メールなど)をまとめ、ある程度の助言を交えながら、ホームページを維持、運営して自治会の負担軽減は図ることになります。
地方の時代といわれてはいますが、昔のように隣組でのつながりが浅くなっており、違った方法でのコミュニケーションを深めるツールとして活用できないかと考えています。役所が進める補助金はだすから、自治会組織におまかせでなく、各自治会が独自性をだし融合し、従来のコミュニティー(どこかの集会所にあつまって会議、催しをする)でなく、問題解決、自治会活動の活性化などのツールとして活用できないかを今後、提案していきたいと考えています。
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■執筆者プロフィール
西田 則夫(Nishida Norio)
情報処理プロジェクトマネジャー、ITコーディネータ
マネジメントの経験を顧客満足の向上に役立てたいと思います。