複合・融合について考える / 中川 普巳重

 今日のテーマは「複合」です。「複合」と聞いて思いつくものは何でしょうか?
まずは、言葉の通り「複合機」。コピー、FAX、プリンタ、スキャナ等の機能
が1つになったものです。そう言えば多機能プリンタという製品もありますね。
複数の機能を併せるということで、「オールインワン」という言い方もあります。
他には、ラジカセ、ノートパソコン(本体、ディスプレイ、ディスクドライブ、
スピーカー)、コーヒーメーカー(一人暮らしの朝に、コーヒーが淹れられて、
パンが焼けて、目玉焼きもできる)、洗濯乾燥機、最近は炊飯器でご飯を炊きな
がらおかずも同時に調理できるものまであります。「製品」という視点で考える
とたくさん思いつきそうです。
 次に、「サービス」という視点で考えてみるとどうでしょうか?
「サービス、複合」と検索すると「小規模多機能型居宅介護事業」がヒットしま
した。利用者の選択に応じて、施設への「通い」を中心として、短期間の「宿泊」
や利用者の自宅への「訪問」を組み合わせるものとありました。利用者のニーズ
に応じて、状況に応じていろんなサービスが利用できるというモデルです。
この事業内容を読んでいて、窓口が一つでいろんなサービスが利用できる「ワン
ストップ」という言葉を思い出しました。「ワンストップ」から連想していくと、
携帯ショップ、保険サービスなんかが思い浮かびます。いろんな会社のいろんな
商品を一同に集めて販売している、「束ねる」という感じでしょうか。定員さん
としては膨大な商品知識を習得する必要がありますが、顧客からすれば自分にと
ってのおススメはどれかが比較検討できて便利です。他に、ショッピングモール
などもそうでしょうか。複数のお店が1ヶ所に集まっていて便利です。最近では
複数の店舗の商品を組み合わせたトータルコーディネートを紹介する仕組みもあ
るようです。
 次に「業態」という視点で考えてみると、一番に思い出すのが「ツタヤとスタ
ーバックス」です。購入前の本がコーヒーを飲みながらゆっくり読めるというサ
ービスに始めは驚きました。他には、コンビニとガソリンスタンド、コンビニと
スーパー、コンビニとドラッグストアなどがあります。いわゆる複合カフェもそ
うでしょうか。コンビニとスーパーが・・・ということでは、「ファミリーマー
ト イズミヤ寺田町東店」が10月29日(火)に開店したというのが最近の事
例です。
 http://www.izumiya.co.jp/press/2013/10/1029.php

 「家庭のキッチン」をコンセプトにコンビニエンスストアならではの利便性や
商品力(中食などの商品やサービス)と、スーパーマーケットの強みである出来
立て惣菜、生鮮食品、日配品、加工食品などの品揃えを一体化させ、新しい形の
店舗フォーマットを構築する実験を開始したとのこと。イートインコーナーもあ
るようですので、買ったものをその場で食べて帰れる、一人でWi-Fiをつなぎなが
ら開放的な空間でご飯を食べる、高齢者同士や親子連れ同士が顔見知りになる、
新たなコミュニティ形成のきっかけになりそうですね。この事例をもとに、各社
のHPを参照しながら「ビジネスモデルキャンバス」を書いてみました。
 http://www.businessmodelgeneration.com

 並べて見てみると、企業の想いが似ているという印象であり、共通する項目や
補完関係が成り立つだろうと思われる項目が見出せたように思います。
 世の中の動きが早いと感じる今日この頃、従来の「業態」という枠組みの中で、
当社の顧客は誰で、当社が提供する価値は何だろうか?と考えていたのでは顧客
の日々変化する消費者心理や購買行動に対応出来ないのではないでしょうか?
「業態」ではなく「ビジネスモデル」を考えることが大事だと思います。日々の
ニュースの中から時流を読む、異業種だから関係ないということではなく、当社
に置き換えて考えるとどうなるか?を「ビジネスモデルキャンバス」で考えてみ
てはいかがでしょうか? 前回の執筆担当時には「フリー戦略」をテーマにしま
した。「プラットフォーム」も重要なモデルです。いくつかの最新ビジネスモデ
ルについて時事ニュースをもとに読み解くことをお勧めします。
 個人的には「コンビニエンスストアとスーパーマーケットの品揃えやサービス
が近づいてきたと思っていたら融合してしまったなあ、地域密着をキーワードに
地域住民の囲い込むのだろうか、そうなると大型ショッピングモールは益々アミ
ューズメント化が進みそうだなあ、そのうち「業態」という考え方は無くなるん
だろうなあ・・・、個店の商品知識や店主のノウハウが見直される日が近い気が
するなあ・・・、ネットで情報収集して店頭で実物を確認し、価格比較してネッ
トで買うという消費者行動にどう対応していくのかなあ、リアル店舗とネットの
融合も必須になってくるんだろうなあ・・・」と思う今日この頃です。

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■執筆者プロフィール

中川 普巳重(なかがわ ふみえ)
(公財)京都高度技術研究所 経営・新事業創出支援本部 コーディネータ
中小企業診断士、ITコーディネータ、日本経営品質賞セルフアセッサー、
(財)生涯学習開発団体認定コーチ、キャリア・デベロップメント・アドバイザー、

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