1.長年一緒に過ごしてきた愛犬「ラッキー」は可愛くて仕方がない
今年8月は家内が入院していたので、その間自宅で独り暮らしをしていた。家内が入院していると、食事、洗濯、掃除、ゴミ出し、ペットの世話・・とにかく「シニアー男の独り暮らし」は結構多忙となる。幸い、家内は無事退院できたのでホッとしている。
独り暮らしで一番困ったことは愛犬ラッキーの世話であった。ラッキー(犬種パピヨン、体重2.4キログラム)は14歳とお年寄りである。人間であれば80歳位だろうか。ラッキーは自分で、家の中でのランキングは上から「家内、ラッキー、私」の順と思っている。小さいくせに自分は私よりランクが上と思っているため、飼い主の私が命令してもなかなか言うことを聞いてくれない。しかも認知症気味なのでいろいろと迷惑なトラブルを起こす。ただ何と言っても毎朝の散歩などラッキーと14年間も一緒に過ごしてきているので、やはり私は可愛いくて仕方がない。
2.「アルバム整理」から「ホームページ作り」を思いついた
独り暮らしで、過去の海外旅行や四国88か所遍路の旅などのアルバムの整理をしていると、愛犬ラッキーをテーマに、ホームページを作ることを“ふと”思いついた。
そこで早速インターネットで、昔使ったことがあるホームページビルダーの情報を集めると、ホームページビルダーの最新バージョンは簡単にWordpressに移行できるように書いてあった。それなら、初めから一番人気であるWordpressで作成すれば良いのではないか。そこでWordpressのテキストを買って読み始めた。
3. ぶっつけ本番で取り組んだので、手探りで五里霧中だった
実を言えば昔、愛犬ラッキーをテーマに、ホームページビルダーに取り組んだことがあった。しかし原因不明のトラブルでサイトを更新できなくなり、途中でギブアップした苦い経験がある。
再び一念発起して、Wordpressでホームページ作成に挑戦することにした。まずレンタルサーバーを借りて、独自ドメイン(.com)を取得した。何も準備していない、ぶっつけ本番のためテキスト片手に手探りで五里霧中である。歳をとると老眼になり細かい字が読みづらいが、何とかWordpressのセットアップ完了にたどり着いた。
4.習得には「理屈」ではなく、「慣れること」が重要である。
インターネットからIDとパスワードを入力してWordpressにログインしてみると、すぐに待望の「管理画面」が出てきた。管理画面はとても重要で、サイトの全ての設定ができる。飛行機でいえばパイロットのコクピット画面である。
管理画面の左端には、Wordpressの主要機能である「投稿」、「メディア」、「固定ページ」、「外観」、「設定」の5つのボタンが無愛想にタテに並んでいた。これら5つの機能をMindmapのように展開しながら紙に書いてみると、操作方法が何となく理解できた。この5つを使いこなせれば一人前になれるのだなと思った。
しかし、テキストに沿って更に進んでいくと「テーマ」、「ウィジェット」、「パーマリング」、「プラグイン」など聞き慣れない「用語」が続々と飛び出してくる。テキストの最後までたどり着けるだろうかと不安になってきた。ただ、不安になっても仕方ない。やはりWordpressの習得は「理屈」ではなく、実際に使いながら「体験による慣れ」が大事である。
5. WordPress は静的なサイトよりも動的なサイトに適していいる
いつの間にかWordpressの使い方に慣れてきた。そうすると一番大事なことを忘れているのに気がついた。ホームページに載せる「コンテンツ」を用意していなかった。慌てて愛犬「ラッキー」の写真を探し出して準備した。
実際にWordpress上で写真を貼り付けてみると操作が結構泥臭い、かえって手間がかかる。写真などを貼付けるだけの静的なサイトなら、わざわざ WordPressを使うこともない。Wordpressは機能が多い分だけ、単純な作業に係る操作は複雑になる。Wordpress選択の判断が正しかったか心配になってきた。WordPressは写真を保管するようなサイトには不向きで、毎日更新するようなサイトに適している。
6. WordPressの適用分野
私の独断と偏見による直感では、Wordpressはビジネス向きで、デザインに凝った動的なサイトに向いている。またビジネスのサイトを「手軽に」運営したい人に向いている。手軽にというのはサイト構築や運営を外部に委託しなくても自分で運営できるという意味である。
Wordpressの特長をまとめると以下となる。
・毎日ブログを更新するような活発なサイトに適している。
・テーマ(テンプレート)が豊富にそろっており、デザインが洗練されている。
・プラグインの種類も豊富にそろっている。
・商売のためのSEOや集客(アクセスマップ)等に優れている。
・WordPressで作ったサイトは、全て自分の資産として自由に加工・運用が出来る。
・広告が画面上に一切出てこない。雑音が無く落ちついた気分になる。
ただし、最初の3つの豊富すぎろ機能は素人には却って混乱の元である。本格的なビジネス用と簡単な初心者用の2つのバージョンがあれば良いと思う。
7. WordPressを使った感想
(1)ツールであるWordpressに注目が集まり、肝心のコンテンツに光が当たっていない。やはり中身「コンテンツ」が一番大切であり、本末転倒している。コンテンツとその見せ方を先に準備して、その後に必要となるWordpressの機能を検討するべきである。そうしないとWordpressの全ての機能を学ぶはめになり、初心者はそれだけで疲れてしまう。
(2)初心者には支援者やアドバイスしてくれる親切な人がほしい。初心者はつまらない勘違いやミスですぐ迷路に迷い込んでしまう。また、計画段階や構築時でトラブルに遭遇した時には孤立無援となる。的確な支援やアドバイスが無いと頭がループしてしまい、無駄な作業や時間を浪費することになる。最悪の場合は挫折してしまう。
(3)WordPressで作ったサイトは「考えている構想」の全部を初めからやろうとせずに赤ちゃんと同じ様に、小さく産んで大きく育てる方が良い。
以上、これからWordpressを始めてみようかなと思っている人向けに、私が初めてWordpressを使用した体験を書いてみました。参考になれば幸甚です。
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■執筆者プロフィール
坂口 幸雄
・ITベンダ(東南アジアや中国で日系企業の情報システム構築の支援、中国全土での日系企業のIT市場調査)、
・JAIMS日米経営科学研究所(米国ハワイ州)、
・外資系企業、
・海外職業訓練協会(キャリアコンサルティング)を経て、
・グローバル人材育成センターのアドバイザー
・ITコーディネーター京都 理事
資格: ITC、PMP、PMS、CISA