プロジェクトマネジメント活用による中小製造業の海外進出 / 坂口 幸雄

1.中小製造業のグローバル化の動向

 日本政府はアベノミクスにより日本経済の再生を目指している。しかしその先
行きはまだまだ不透明である。日本の生産年齢人口の減少によりGDPも伸び悩
み、日本の市場も縮小傾向にある。一方アジアの市場は着実に拡大している。日
本企業の生産拠点は海外展開され、空洞化が進展している。そのために海外移転
を夢にも考えてなかった中小製造業までが海外進出を余儀なくされてきている。
中小製造業が生き残るにはグローバルビジネスに参入していかざるを得ない。

 今振り返ると日本の製造業にとって“2008年のリーマンショックの影響”は本
当に大きかった。自動車・電機業界の製造業は国内市場だけでは生き残れなくな
り、海外展開を更に進展させた。その影響は日本国内だけでなく、“中小製造業
の海外の現地法人”にまで追討ちをかけ、「系列取引の見直し」、「売上・利益
の減少」など大きな影響を与えた。そのために2008年は中小製造業にとって“生
き残りのためのグローバル化元年”となった。2008年以降もグローバル化の波は
現在に至るまでひたひたと押し寄せてきている。

2.ジェトロ京都の京都リサーチパーク設置

 この様な時代背景の中で、先月1月15日 、「ジェトロ京都」が京都リサーチパ
ークに設置された。今後、京都でジェトロ主催のイベントが次々と開催されるこ
とになるであろう。京都には中小企業とグローバル企業が共存する裾野の広い産
業があり、また海外からの訪問客を魅了する神社仏閣など国際観光分野も有して
いる。「ジェトロ京都」の設置により、京都の地域経済活性化が加速することが
期待される。

3.PMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)の研究会

 2003年より、私はPMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)の関西P2
M研究会に参加してきた。そこでグローバルビジネスの様々な分野で、第一線で
活躍中のビジネスパーソンと知合い、研究会での意見交換により、グローバルビ
ジネスの現場についての見識を深めることが出来た。私は次の2つの研究会に参
加した。

・2008年 オフショア開発の事例研究
 http://www.pmaj.or.jp/library/open/regular/kns20081010.pdf

・2012年 グローバル事業展開の勘所
 http://www.pmaj.or.jp/library/open/regular/kns20130712.pdf  

4.グローバルビジネスではプロジェクトマネジメントの適用が有効

 私は「ITベンダー」で、アジアに進出する日系製造業のシステム構築の支援
を長年担当してきた。また「外資系企業」でプロジェクトマネジメントのビジネ
スに携わった。また「海外職業訓練協会OVTA」や「グローバル人材育成センター」
において、駐在員として赴任される方へのキャリアコンサルティング等の仕事に
携わってきた。中小製造業の現地法人では「核となる人材」の採用・確保が難し
い。
 その間、中国や東南アジアで多数の製造業の現地法人を訪問してきたが、中小
製造業がグローバルビジネスで生き残るには「勘所」があるように思われる。
「プロジェクトマネジメント」の適用である。新しい未経験業務を「少人数」か
つ「短納期」で「確実に遂行」するには「プロジェクトマネジメント」の適用は
有効である。  

5.環境変化に対応できた企業が成功

 中国・東南アジアでの成功事例として中小製造業のA社の事例を紹介する。中
国に進出している中小製造業では電機・自動車の部品製造の企業数が圧倒的に多
いが、残念ながらリーマンショック以降は、売上が減少し撤退している企業が多
い。
 ダ-ウインの有名な言葉の中に「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い
者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できるものである」がある。
このフレーズは中小製造業の企業経営にも十分に通用する。社会が変革する中、
企業を取巻く経済環境は常に変わっていく。
 厳しいグローバルビジネスの環境でも、A社はタイムリーに「ビジネスモデル
を再構築」しながら着実に成長している。ビジネスモデルを再構築するにはプロ
ジェクトマネジメントの適用が有効である。A社のイノベーションはビジネスモ
デルの見直し・再構築のプロジェクトマネジメントの継続的実践の成果であり、
中小製造業の典型的な成功パターンである。

 中小製造業の海外進出の詳細については下記のURLをご覧いただきたい。
http://ysakaguchi.com/wp-content/uploads/2015/02/820177945d3785e9aab4e7f0aff8ee9d.pdf

(目次)
1. 中小製造業を取巻く経営環境
2. 中小製造業のグローバルビジネスでのにおける活性化策
3.プロジェクトマネジメントとは?
4.海外新工場でのプロジェクトマネジメント計画書
5. 中小製造業の海外進出事例(A社の成功事例)
6.ビジネスモデルの発展パターン

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■執筆者プロフィール

坂口 幸雄
・ITベンダ(アジアで日系企業の情報システム構築の支援、
      中国全土での日系企業のIT市場調査)、
・JAIMS日米経営科学研究所(米国ハワイ州)、
・外資系企業(プロジェクトマネジメント)
・海外職業訓練協会(キャリアコンサルティング)
・グローバル人材育成センターのアドバイザー
・ITコーディネーター京都 理事
資格: ITC、PMP、PMS、CISA
趣味:犬の散歩、テレサテンの歌を聴くこと、海外旅行、お寺回り
     (四国八十八カ所遍路の旅および西国三十三カ所観音霊場巡り)

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コメント: 1
  • #1

    坂口幸雄 (木曜日, 09 4月 2015 11:05)

    上記のホームページはプライベートな話題をブログにしています。
    最近の傾向は中国から東南アジアの新興国にシフトしている

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