今回はテレビや雑誌新聞で注目されているクラウドソーシングについてご紹介します。
インターネット上でクラウドというと【Cloud=雲】と思いがちですが、クラウドソーシングは【Crowd=群集】を指した言葉なんです。クラウドソーシングは、群集であるインターネット上の大勢の方々へ、募集・業務発注を行うことです。
まず、クラウドソーシングを聞いたことのない方へ説明します。
クラウドソーシングとは、世界中におられる方々へ仕事をお願いする新しい発注形態です。インターネット上にはクラウドソーシングの受注・発注ができる多様なホームページがあります。
個人でお仕事をしている方が営業的に活用したり、お勤めをされていた女性が結婚出産などで自宅でしかお仕事ができない方、定年後専門性の高いお仕事を続けたいなど多種多様な方々が登録されています。
その方々へクラウドソーシングの受注・発注ができるホームページを使って企業がお仕事を依頼します。
ホームページ上へ仕事依頼を掲示し、個人の方が依頼を閲覧応募する形となり、24時間いつでもお仕事の応募・依頼できます。
24時間対応可能となることからいろんな時間帯に活動される多様なライフスタイルの方々がそこで仕事をし、早い納品が見込めます。
また、個人の方への仕事依頼のため、本来あるべき中間マージンが抑えられ価格的に半分程度になることも多くあります。
大企業や行政では活用がたいへん進んでおり、早く安く品質のよいものが提供されやすい環境として認識されています。
ただ中小企業において活用がまだまだ進んでおらず、これからの活用が見込まれています。
活用されていない理由を考えることにより、中小企業における問題点が見えてくるのかもしれません。
クラウドソーシングはインターネット上にいる仕事のできる人たちへ発注するのですが、その人たちは発注する側の企業のことやその発注内容などほとんど知りません。
その方へ発注者の意思や完成物をイメージして作業をしていただくことになります。
インターネットを使用してやり取りをするので通常会話で進める部分の大半を文字にてコミュニケーションをします。
よいところは、文字に残るので会話で起こる「言った、言わない」の行き違いが起こらず、スムーズな依頼が可能となっています。
しかし、中小企業ではいまだに会話による業務依頼が主流となっていることが多く、文字にすることを得意としていないことがあります。
文字にすることを得意としないことは果たして良いことなのか、一般的して会社の作業として考えてみましょう。
文字にすることで業務の流れを確認することができます。最初文字にすることは時間がかかる作業でもったいない気がしますが、継続的にする作業を文字にするとしたら話が変わります。
作業手順書が作成でき作業のチェックポイントを確認でき、そのことによりミスを起こしにくくなり生産性の向上に役立ちます。
また、作業手順書が容易な内容となったとき作業をする人に特殊性の要求が低くなり、誰でもできるようになるかもしれません。誰でもできる内容となった場合、新しく入った人でも十分に働くことが可能となり人件費を抑えることもできます。
文字にすることは企業にとってメリットがたくさんあり、クラウドソーシングの発注のみならず企業活動全体を活発化すると考えます。
積極的に業務を文字にすることにより、その作業に慣れかかる時間を短くすることがこれからの価値になるのではないでしょうか。
業務の理解がなければ文字にすることができません。
業務を文字にすることに慣れていただいて、クラウドソーシングの積極的な活用、そして社内における業務管理へ活用をしていただければよりよい結果をもたらすものと思われます。
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■執筆者プロフィール
山田 修司
-多様な情報をもとに中小企業支援を行い、安心できる情報化を提供しています-
ITコーディネータ
クラウドソーシング・プロデューサー
独立行政法人情報処理推進機構(IPA) セキュリティプレゼンター
中小企業庁委託事業『ミラサポ』登録専門家
マイクロソフト認定プロフェッショナル
一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会 京都府支部支部長
アイシーエルシステムズ有限会社 代表取締役