本コラムにおいても「マイナンバー(個人番号)」の通知が始まった10月に制度のご紹介をさせていただきました。発送自体が当初予定より遅れているようですが、京都市においても12月初旬には皆様のお手元に届いたというお声をよく聞くようになりました。
そこで今回は、平成28年1月以降運用がスタートする時期に制度のおさらいと、導入準備に向けたチェックリストをご紹介いたします。マイナンバー導入直前チェックとして参考にしていただけると幸いです。
(1)マイナンバーの利用範囲
マイナンバーは、「番号法」(「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」)において、利用できる範囲が以下のように定められています。
・社会保障関係の手続
・税金関係の手続
・災害対策
これらの手続きにおいて、平成28年1月以降、申請書類や申告書にマイナンバーの記載が求められることになります。また、マイナンバーは番号法で定められた目的以外に利用することができず、マイナンバー取扱者が、万が一、マイナンバーの目的以外の利用や他人に不当に提供した場合には、処罰の対象となりますので取扱いに注意が必要です。
(2)通知カードと個人番号カード
マイナンバーは、平成27年10月以降、順次、住民票に登録された住所に紙製の「通知カード」が世帯ごとに簡易書留で送られてきます。
「通知カード」を受け取った後、任意申請により、「個人番号カード」の交付を受けることができます(平成28年1月より順次交付)。この「個人番号カード」は写真付きのICチップ入りのプラスチック製カードで、公的身分証明書として利用することができます。ICチップ内には所得情報や健康情報などの個人情報は記録されません。
将来的に、各種行政サービスを受けるためには「個人番号カード」を用いてサービスを提供することを想定しています。平成30年4月には、「個人番号カード」が健康保険証として利用可能となる方向で検討されています。
(3)導入準備のチェックリスト
事業者の皆さんは、平成28年1月以降、ご自身のマイナンバー以外に、社会保険や税務手続きを行う上で、従業員等のマイナンバーを取得・管理することが必要となります。まずは、導入準備として、下記の事項について、社内や委託先(税理士等)と対応方法をご検討ください。
・事務取扱者の選定
・マイナンバー業務と対象者の洗い出し
・対象者への周知・教育
・マイナンバーの回収と本人確認
・社内規定の作成
・保管・管理方法の整備
・PC環境と事務処理スペースの見直し
・委託先との契約書等の見直し
・委託先への必要かつ適切な監督
・破棄・削除のルール整備
従業員数が100名以下の中小規模事業者については、「特定個人情報の適切な取扱いに関するガイドライン」において、事務負担を考慮して特例的な取扱い規定が設けられていますので、ご参照ください。
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■執筆者プロフィール
氏 名 間宮 達二(まみや たつじ)
所 属 ひかりアドバイザーグループ(ひかり財産戦略株式会社)
資 格 ITコーディネータ