2045年問題 / 竹内 肇

 皆さんは、「2045年問題」というのをご存じでしょうか。

 米国の未来学者であるレイ・カールワイルは、インテル社創業者の一人、ゴードン・ムーア氏が発表した“半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する”という「ムーアの法則」を一般化し、拡張させた“科学技術は指数関数的に進歩する”という「収穫加速の法則」を発表しました。

 この中で、2020年にはパーソナル・コンピュータの処理能力が人間の脳の処理能力に達し、2045年には全人類の脳の処理能力を超え、人類における大転換点、“技術的特異点(シンギュラリティ)”を迎えると予測しました。

 平たく言えば、あと30年ほどで、人工知能が全人類の知能を超えるというもので、人がコンピュータ/人工知能とどのように対峙するかが問われる時期が訪れるというものです。

 

 最近のニュースには、そうした予兆を伺わせるものも少なくありません。

 つい先日(3月15日)には、米Google社傘下のベンチャー企業が開発した人工知能(AI)囲碁ソフト「AlphaGo(アルファ碁)」が、現在世界最強のプロ棋士と言われる韓国イ・セドル九段との五番勝負でアルファ碁が4勝1敗と大きく勝ち越したことが、各メディアで大きく報じられました。

 自動車の自動運転技術が進歩し、実用化に向けた実証実験が繰り広げられていることも度々報じられていますし、ソフトバンクグループ傘下の仏アルデバランロボティクスが開発した感情認識人型ロボット「Pepper」も話題となっています。

 また、身近では、「siri」を代表とするスマートフォンの音声アシスタント機能アプリ、話し言葉を素晴らしい精度で翻訳する翻訳アプリ、また、Microsoft社のSkypeでは、同時通訳機能(日本語未対応)。

 こうした高度なコンピュータ処理は、人工知能(AI)技術が用いられており、ビジネス現場において実用的に使用できる時期もそう遠くないように思います。

 

 より現実的な話題としては、野村総合研究所が、英オックスフォード大学のマイケル.A.オズボーン准教授、及び、カール・ベネディクト・フレイ博士との共同研究を行い、今後10~20年間で、日本の労働人口の約49%が就いている職業が、人工知能やロボットで代替される可能性があると発表しています。

 また、その可能性が高い100種の職業、低い100の職業を公表しています。

 http://www.nri.com/Home/jp/news/2015/151202_1.aspx

 現実に、人型ロボット「Pepper」だけで接客する携帯ショップのオープンといったニュースもあります。

 皆さんは、20年後も今の職業に就いていられそうですか?

 

 いずれにしても、コンピュータが人に変わって処理する分野は、相当に拡大するであろうことは、誰もが、疑わないでしょう。

 「2045年問題」は、コンピュータプログラム上の不備を指摘した「2000年問題」とは次元が異なり、かつて、SF小説の中で描かれた未来社会が現実のものになるといった、人類にとって大きなインパクトを与えることになるものと思います。

 このような時代の到来を、「単純労働は人工知能が担い、人類は好きなことに専念できる。(ソフトバンク社・孫正義氏)」と肯定的に捉え、コンピュータとの共存を推進する人たちがいる一方で、「高度な人工知能は、人類を滅ぼしかねない脅威となる(宇宙物理学・スティーブン・ホーキング氏)」として警鐘する人たちもいます。

 

 さて、皆さんはどのように考えになりますか?

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■執筆者プロフィール

 

竹内 肇(たけうち はじめ)

 ISO27001/ISMSの審査員活動、並びに、中小企業における情報セキュリティ対策や個人情報保護の取り組みに対する支援、ITの利活用に関する支援を行っています。

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コメント: 1
  • #1

    坂口幸雄 (水曜日, 27 4月 2016 21:42)

    今から30年後の2045年には、どのような世界になっているのだろうか?
    私には変化が速すぎてさっぱり想像がつかない。

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