レストランにおけるポイントカードのデータ活用 / 山口 透

 先日、レストランを経営する方から相談を受けました。今回はこの相談に対する提案を、少し内容を変えてご紹介します。

 

 このレストランはイタリアン料理を中心に数店舗を展開しています。そして全店舗で利用できるポイントカードを導入しています。このポイントカードで蓄積されたデータを活用したいという相談でした。現在、ポイントカードは、利用した金額によりポイントを加算して200ポイント以上で200円の金券として利用しています。また、申し込み時に誕生日や住所などの個人情報を記入してもらっているので、カードのメンバーに対してダイレクトメールを数回発送しています。

 

 そこで、順を追って利用方法をいくつか提案しました。まず提案の初めに、戦略的にどのように考えているかの確認を行いました。これは、リピーターを増やすのか、新規顧客をもっと増やしたいのかということの確認です。基本的にはリピーターを増やすことが大切です。一方、インバウンドの爆買いを意識したポイントカード不要の新規顧客の増加を考える戦略もあります。こちらのレストランは原則リピーターを増やし、リピーター候補の新規顧客にアプローチをするという考えでした。

 次に、ポイントカードの導入目的を再確認しました。ポイントカードのデータを使って、一般的にできることはいくつかあります。簡単にまとめると、顧客を知る、優良顧客を囲い込む、顧客に最適なプロモーションを行うことです。このレストランは、住所を収集しダイレクトメールによるプロモーションを行うことを当初の目的としていました。

 

 今回はデータの利用方法がわからないということですので、まず顧客の動きを知ることを提案しました。今取得しているデータは、入会日、生年月日、住所、来店日、利用金額です。ここから、顧客の動きを知るために、リピーターの定義を行いました。

 社長や店長は、3ヶ月に1回ほど来店されている方がリピーターという感覚を持っていました。実際にデータを調べると、おおよそ110日ですので3.6ヶ月というところです。感覚で捉えていた情報を定量的に確認できたことになります。来店頻度がわかり「約4カ月に一度来てもらっているお客様はリピーター」と定義しました。これにより具体的なキャンペーンを考えることができます。

 例えば、リピーターであれば、ロイヤリティーが高いとみなすことができます。このリピーターに対して「おともだち紹介キャンペーン」を打つことで、自店のファンであるロイヤリティーの高いお客様から、新規顧客を紹介いただけると考えられます。

 

 次に、優良顧客の囲い込みのためのデータをどのように活用するか、という視点で提案しました。優良顧客を囲い込むための分析手法は、RFM分析が定番です。RFM分析とはR(Recency:最終購買日):直近の来店はいつか、F(Frequency:購買頻度):どのぐらいの頻度で来店したか、M(Monetary:累計購買金額):これまでの利用金額、の視点でランクに分けて、視点とランクの組み合わせで分類した顧客層毎にプロモーションの方法を変えるものです。ただし、このポイントカードのデータでは、来店時の人数を蓄積していないため、一人あたりの食事金額がわからないという問題がありました。したがってRとFに絞って分析することにしました。

 来店頻度はある程度高い(上記の例から言えば年3回より多い)が、最近来店されていない(たとえばこの1年間に利用がない)などということがあります。この方にダイレクトメールを送ることで、「そういえば最近行ってないな」と思い出してもらい来店を促す方法をとりました。

 今後は、蓄積された約8年分のデータをもとに、前半4年と後半4年に分けてどのように推移しているかを知ることで、お客様の年代、来店頻度、利用金額等の変化を確認しお客様をより深く知ることに役立てていく予定です。

 

-----------------------------------------------------------------------

■執筆者プロフィール

 

山口 透(やまぐちとおる) toruy55@nifty.com http://www.yama91.com

シャープビジネスソリューション(シャープのITシステム販売会社)で、システム構築を統括するプロジェクトマネージャー、業務改善を提案するITコンサルタントとして大企業から中小企業までのシステム提案を行う。

2015年10月から「経営とITと人材育成」のコンサルタントとして開業。

ITコーディネータ、中小企業診断士、システムアナリスト

公式Facebookページはこちらから

<いいね>をクリック!