106万円の壁って ? / 間宮 達二

 平成28年12月8日自由民主党・公明党より平成29年度税制改正大綱が発表されました。今回の改正では、パート社員等が世帯主の配偶者控除が適用される103万円以内に収入を抑える「103万円の壁」を撤廃し、就業調整を意識しないで済む仕組みの構築のため配偶者控除の適用の上限を収入103万円から150万円まで引き上げられました。

 「103万円の壁」が「150万円の壁」となったのですが、他にも「130万円の壁」があります、これはご存知の方もいらっしゃると思いますが、収入が130万円以上になると社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料など)が扶養からはずれ、自ら負担する必要があります。これを「130万円の壁」というのですが、特定の方についてはこの基準が106万円となっています。やはり、年金財政が非常に厳しいなか、社会保険の適用範囲を広げていく動きです。

 今回は、平成28年10月1日に適用となった「106万円の壁」についての内容を確認しておきたいと思います。

 

 

■短時間労働者への社会保険の適用拡大について

 これまで健康保険・厚生年金保険は、一般的には週30時間以上働く方を加入の対象としていました。しかし、平成28年10月1日から、特定適用事業所に勤務する短時間労働者が、新たに厚生年金保険等の適用対象となります。

 

■特定適用事業所とは

 まず、「特定適用事業所」の定義ですが、被保険者が501人以上いる企業のことを、このように呼ぶことになります。これまで社会保険の適用の条件としては、「通常労働者のおおむね4分の3以上」働く従業員を加入させるように取り扱われてきましたが、今回の法改正では、この「おおむね」という曖昧な表現はなくなり、「1週間の所定労働時間及び1ヶ月の所定労働日数が通常労働者の4分の3以上」である労働者を加入させるという明確な基準に変更されることになりました。

 

改正前:

 10日または1週間の所定労働時間及び、1ヶ月の所定労働日数がおおむね4分の3以上

 

改正後:

 1週間の所定労働時間及び、1ヶ月の所定労働日数が4分の3以上

 

 「事業所」の考え方ですが、支店や支社単位で一つの事業所とするのではなく、法人番号が同じであれば一つの事業所となります。つまり、法人番号が同じ事業所については、拠点が別々にあってもあわせて501人以上の被保険者がいる場合は、特定適用事業所とされることになります。さらに、この501人以上いるかどうかについては、1年間に6ヶ月以上、上記の基準に該当する被保険者が501人以上いることが見込まれる場合をいいます。

 

■短時間労働者とは

 では、この特定適用事業所で雇用される短時間労働者のうち、新たに被保険者とされるのは、次の(1)から(4)の全ての条件に該当する労働者の方が対象となります。

 

(1)週の所定労働時間が20時間以上であること

(2)雇用期間が1年以上見込まれること

(3)賃金の月額が88,000円以上であること

(4)学生でないこと

 

 大企業で働く場合には、パート収入等130万円未満が社会保険の扶養の範囲ではなく、上記の通り月額88,000円未満つまり「106万円の壁」となりますので注意してください。

 

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■執筆者プロフィール

 

氏 名 間宮 達二(まみや たつじ)

所 属 ひかりアドバイザーグループ(ひかり戦略会計株式会社)

資 格 ITコーディネータ

お問い合わせ mamiya@hikari-advisor.com

HPアドレス  http://www.hikari-advisor.com

 

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