コラムにみる時代の変遷 / 西田 則夫

昨年は、熊本地震、英国でのBrexit、小池都知事誕生、トランプ次期大統領等、いろいろなことが起こりました。新たな想いで新年を迎えられた方も多いとおもいますが、今年はどんな年になるのでしょうか。

経営とITの話を綴ったこのコラムも昨年は、いろいろなテーマをとりあげています。

昨年は、52編のコラムが多彩な執筆者のもと、多岐にわたるテーマでみなさんを引き付けたことと思います。

どのようなテーマがあったのか、わたしの独断と偏見のもとピックアップしてみました。また、10年前(2006年)はどのようなテーマがあったのか同様に比較してみることにしました。

10年一昔という言葉がありますが、ITの世界では、二昔前、三昔前かもしれません。

昨年あって、10年前はなかったキーワードとして、IoT(Internet of Things)、AIがあげられます。

IoTとは家電、自動車など個々の製品をインターネットにつなげて有効な使い方ができるようにしましょうというもので、ドイツを中心とした Industrie 4.0 や米国を中心としたのビジネスにおける活用について紹介されています。

AIについては、しばらくは勝てないといわれた囲碁の勝負で、米グーグルの研究部門が開発した「AlphaGo(アルファ碁)」が勝利をおさめ、話題になりました。ビジネス分野では、IBMの「ワトソン」が意思決定支援システムとして利用されていますが、AIというキーワードが一般的に注目を集め出したのは、この勝負からのように思えます。

そして取り上げたのは一編だけでしたが、「ドローン」のビジネス活用という話題がありました。これも10年前には、一言もとりあげられていないワードでした。ドローンの活用の例としては、コマツが提供する建設現場での高精度測量やセコムの防犯対策サービスなどが紹介されています。

10年前からとりあげられているテーマとしては、情報セキュリティがあります。

10年前は、情報セキュリティマネジメントシステムについてや、社内のセキュリティ対策について触れられていましたが、サイバー攻撃・サイバー犯罪への防止と対策やマイナンバー導入における安全管理措置について、内部よりも外部に対してのセキュリティ対策に視点がうつっています。

2006年で特徴的なのは、IT経営と新会社法について14編の投稿があります。IT経営については、ITを導入する前に仕事の仕組みを再構築すること、ビジネスモデルを組み直すことの重要さや経営者のITについて造詣の深さが必要ということで、トップダウンでITインフラ整備を実施した経営者の事例が紹

介されています。

新会社法は、会社に関する法律の一本化と読みやすさの改善や現在の会社の実態にあわせる改正がされています。コラムの内容としては計算書類の変更や中小企業に影響のある有限会社の廃止と会社機関設計の柔軟化などが取り上げられています。

昨年は、法律改定に際しては、消費税増税や高齢者保護消費者契約法などがテーマとしてあげられましたが、企業や個人に影響のあることが多いためと思われます。

昨年はデザイン思考というテーマが4編寄稿されており、私としては最近の話題と思っていました。

このデザイン思考とは、アメリカのデザインコンサルティング会社によって提唱された商品開発手法で、デザイナーがデザインをするときの考え方を体系化したものです。

共感→課題設定→アイデアの発散と収束→試作→検証のプロセスを繰り返し実施します。現在、物があふれている世の中にあって消費者自身、自分がなにが欲しいいかわからなくなっている状況でわからないニーズを探し当てる手法として実践されています。

しかし、10年前に1編、ユーザーが納得できる情報システムを構築する方法としてデザイン思考を活用する内容のコラムが寄稿されており、当コラム寄稿者の知識の幅広さに感服している次第です。

このようにコラムの内容を10年前と比較してみましたが、情報セキュリティやIT経営などは継続的なテーマと想定されます。今後、AI、IoTがどのような変遷をとげ、あらたなキーワードを生み出すか、注意深く、かつ、流れに乗り遅れないように日々研鑽し、10年後のコラムを楽しみにしたいと思います。

 

<参考>

1. ITC京都 経営とITの話 コラム 2016年

2. ITC京都 経営とITの話 コラム 2006年

 

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■執筆者プロフィール

 

西田 則夫(Nishida Norio)

情報処理プロジェクトマネジャー、ITコーディネータ

 

マネジメントの経験を顧客満足の向上に役立てたいと思います。

Norio.Nishida@scsk.jp

 

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