エネルギーをマネジメントする / 中川 普巳重

 新緑のきれいな季節になりました。ふと足を止めて見上げる木々の緑にたくさんのエネルギーを感じます。

 

 質問:みなさんはこの時期の新緑のようにエネルギーに満ち溢れていますか?

 

 今日は人が持つエネルギーについて考えてみたいと思います。経営者や個人事業主は体が資本と良く言いますが、健康な体があればいいのでしょうか?ちょっとここで「健康」の定義を確認してみましょう。WHO憲章に「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」とあります。これを少しひも解くと、1) 肉体的健康:積極的に行動できる体、エネルギーの流れが良い体。2) 精神的健康:気がかりが少なく、心にゆとりがあり、前向きで、ワクワクできる。3) 社会的健康:職場などの人間関係に対するストレスが低く、プライベートな時間に趣味などの自分のための活動もできており、経済的にも安定している。といった感じでしょうか。

では、質問を変えてみます。

 

 質問:みなさんは健康ですか?

 

 さて、答えはどうだったでしょうか? 経営者も従業員もみんなが健康であるということは企業経営にとってとても大事なことです。日々の事業活動に従事する「人」が不健康では、思うような成果も出ないのではないでしょうか。1) 肉体的健康はそれなりに気にしてはいるものの、2) 精神的健康にどこまで意識を向けているでしょうか? ストレスチェック制度も始まりましたが、マイナスを減らすだけではなく、プラスを増やすことへ意識を向ける必要があるように思います。車が走るにはエネルギーが必要です。何か物を持ち上げるにも力が必要です。つまりは、人が何か行動を起こそうとする時には必ずエネルギーが必要なのです。エネルギーの量は人それぞれ、ガンガン行く人もいれば、思ってはいるものの行動が伴わない人、億劫な人、いろいろな人がいます。エネルギーは出すばかりではなく、蓄えることも必要です。エネルギー以外の要因ももちろんありますが、今日はエネルギーと行動にフォーカスしていきたいと思います。

 

 人は何気に毎日エネルギーを消耗しています。

 

・もらったメールに返信していない

・人に依頼したことについて、その後の状況を聞かないまま、時が過ぎている

・引き出しの書類を片づけようと思うもののそのままになっている

・お礼を伝えるべき人に伝えていないままになっている

・汚れたもの、壊れたものをそのまま放置している

 

 こんなことってありませんか? これは「気がかり」というもので、気がかりが多いと、気にかかるたびにエネルギーが消耗しています。

 

・メールの返事が無いけれども何か気を悪くしているのだろうか

・聞きたいことがあるけれども聞くと怒られるかもしれない

・文章作成を頼まれたけれどもこの内容で大丈夫だろうか、できないやつだと思われたらどうしようか

・今日の服装、もしかすると変かもしれない

 

 自分の事以外にも、相手との関係においても気がかりはいっぱいです。

 エネルギーいっぱいに行動できるように、まずは「気がかり」もしくは「未完了」(やろうと思っていてできていないこと)を書き出してみませんか? 仕事のことだけではなく、冬物をクリーニングに出す、などプライベートなこともすべて書き出しましょう。

 1) まずは書き出す。2) すぐにできること、取り掛かりやすいことからやる。3) 終わったら、色ペンで上から線を書いて消し達成感を感じる。4) 書き出した気がかりの数が減ってきたら新しい紙に書き直してみる。古い紙はくしゃくしゃっと勢いよく丸めて捨てすっきりする。

 

 これらを繰り返すことで得られることは、1) 心が落ち着く。あれもこれもあると思うと、とても気ぜわしいのですが、一つ一つやっていくと意外にそうでもなかったということは良くあります。2) 時間ができる。これはタイムマネジメントの1つの取り組みでもありますので、時間が有効に使え時間に余裕が出てきます。3) 本当にやりたいこと、重要なことに時間もエネルギーも向けることができるようになり、行動力がアップします。

 

 最後に、この取り組みに際して重要なことは、「何のためにやっているか?」に意識を向けることです。単に忙しいのでタスクメモを書いては消していくといった作業的な意識で取り組むのではなく、自分のエネルギーが消耗していく要因を減らし、自分の中にエネルギーを蓄え、事を起こしていきたい方向へとエネルギーを十分に向けていけるようにマネジメントするためであることをしっかり意識して取り組んでみてください。これまで書いてきた内容はごく当たり前のことなのですが、エネルギーマネジメントを意識している人はまだまだ少ないように思います。時には、夜空の月や星、太陽の光、通りの街路樹や花壇の花に目を向けて、自然からもエネルギーを分けてもらいましょう。ご自身、ご家族、企業内でも、いまいちど意識づけしていただければ幸いです。

 

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■執筆者プロフィール

 

中川 普巳重(なかがわ ふみえ)

福岡大学 産学官連携センター 産学官連携コーディネーター 客員教授

(公財)京都高度技術研究所 地域産業活性化本部 コーディネータ

中小企業診断士、ITコーディネータ、(財)生涯学習開発団体認定コーチ

Eメール  fumie-na@k4.dion.ne.jp

 

 

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