最近「イノベーション」を実感したこと / 松山 考志

 最近、私がイノベーションについて考えるきっかけとなった事柄を紹介させていただきます。私は、これまでイノベーションの意味を「技術革新」という技術よりの意味合いが強い言葉として捉えていました。よく調べると、もっと広い意味で使用される言葉であるとの気づきがありました。そもそもイノベーション=「技術革新」となったのは、1958年の経済白書においてイノベーションを技術革新と訳したことが発端のようです。その後経済が発展し、社会環境が大きく変化した今日においては、「技術革新」という意味だけでは成立しなくなっています。イノベーションは、そもそも人々に新しい価値をもたらす行為だと唱える人がいます。そのために、科学技術の発展が必要であったり、これまでにない新しい価値を提供する新製品開発が行われたり、企業を生まれ変わらせるためのITシステムや業務体制の革新が必要なことがあります。これらを含めて、イノベーションについて考えるのがしっくり来ると思います。以下、私が実感した身近なイノベーションの事例をご紹介します。

 

1. サービス等生産性向上IT導入支援事業

 8月初旬、今年からスタートしたサービス等生産性向上IT導入支援事業「平成28年度補正 IT導入補助金 二次募集」の採択結果が公表されました。一次募集分と二次募集分を合わせると約14,000件程度が採択されるようです。政府は、大企業や海外企業よりも見劣りする中小企業の生産性に着目し、その向上を図るための予算措置を行いました。中小企業でITシステムを導入している企業のうち3分の2が給与・経理業務等の内部管理向けに導入されていると言われています。一方、調達、販売、予約を含めた顧客管理や受発注在庫管理などのフロント・ミドル業務でのIT利用率は3分の1程度に留まります。そう考えると、多くの中小企業において、安くて導入がしやすいシステムを導入することで生産性を改善する余地があると考えられます。

 これまではシステム投資に大きなコストが掛かる一方で投資効果が見えにくいという状況もあり、中小企業が積極的にシステム化を進めてこなかった事情があると思います。政府は、このような状況を踏まえてクラウドシステムの利用に着目しました。クラウドシステムが持つ、初期費用が安く管理者が不要で導入が比較的容易、リアルタイムに近いデータの取得が可能になり、経営判断がスピードアップ、クラウドサービス同士の連携が広がっており使い勝手が良い、といった利点の活用を促しています。クラウドシステムは利用者側からすると、比較的導入の敷居が低いため、会社を変革させるツールとしては大変都合がよいと思います。経営課題の解決にクラウドシステムの利活用を検討してはどうかと思います。

 

2. ソニー AROMASTICK

 映像音楽などのエンターテイメント分野の家電メーカーの印象が強いソニーが、アロマディフューザーを手のひらサイズにコンパクト化したAROMASTICKという商品を発売しました。私がアロマを日常的に利用しているため、小さなスティック状のアロマ家電が発売されたことは大変興味深く、実際に手に取って体験しました。ホームページに紹介されていますが、嗅覚を刺激する「香り」のテクノロジーは未開拓だった分野だったこと、またアロマという性質上、他人を気にせずにいつでもどこでも香りが楽しめるものではない商品を、周囲を気にせずに利用できる製品を開発したということが、生活環境に「イノベーション」をもたらすと感じました。

 利用者目線での本製品がもたらした新しい価値は、自分だけにしか香りが広がらない(香りが周囲に広がらない)、手の中におさまるサイズ(花瓶のような大きなものではない)、簡単・手軽に使える(オイル交換が不要でスイッチで香りを変えられる)にありました。これらは、これまでの製品が実現できなかった価値を提供するもので、自宅以外の職場や、外出先、旅行などの移動中においても利用シーンを広げ、香りを楽しむという文化がもっと身近になる可能性をもたらします。アロマについては、企業においては労働環境の改善に利用される事例もありますので、興味がある方は、是非インターネットでお調べいただければと思います。

 

(参考)

・平成28年度2次補正予算事業の入札・公募情報

 http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/282jihosei/28fy_2jihosei_koubo.html

・ソニー AROMASTICK

 https://scentents.jp/aromastic/

 

-----------------------------------------------------------------------

■執筆者プロフィール

 

松山 考志

 宅地建物取引士

 文書情報管理士

 行政書士

公式Facebookページはこちらから

<いいね>をクリック!