デジタルトランスフォーメーション / 宗平 順己

 また何かITの新しい言葉が出てきた思われる方が多いと思われますが、そのように感じているのは日本企業だけです。「デジタルトランスフォーメーション」は世界では最も優先度の高い「経営課題」としてとらえられています。

 ITの課題ではなく「経営課題」であることに注意してください。ITよりの定義では、IDCがデジタルトランスフォーメーションについて次のように定義しています。

 「企業が第3のプラットフォーム技術を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデル、新しい関係を通じて価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」

 この第3のプラットフォームというのはIDCが提唱しているコンセプトで、「クラウド」「ビッグデータ」「モビリティ」「ソーシャル」の4要素によって形成される情報基盤のことです。

 デジタルトランスフォーメーションの先駆者として良く例に出されているのがUberやAirbnbです。彼らのビジネスモデルをみると、実にうまく第3のプラットフォームの4要素を使いこなしていることがわかります。

 しかしながら、このようなIT寄りの定義が日本が取り残されている原因であると考えています。

 より正しい理解としては、次のように述べられています。

 「The best understanding of digital transformation is adopting business processes and practices to help the organization compete effectively in an increasingly digital world.」

 (デジタルトランスフォーメーションの最も良い理解は、急速にデジタル化が進む社会において、企業が効果的に競争できるように新しいビジネスプロセスや実践例を取り入れることである。)

 UberやAirbnb の本当の理解は、顧客のデジタル化、すなわち何事につけてスマホが必須になっている状況をうまくキャッチアップし、そして「既存の市場を破壊している」にしていることです。事実MIT Sloanが2015年秋にDeloitteと共に世界中の3700以上のCEOやマネージャに実施した調査において、90%近くがデジタルによって産業構造に破壊をもたらすと考えており、44%がそれに対する備えを進めていると回答しています。

 IoTもオムニチャネルもデジタルトランスフォーメーションの動きの一つですが、これほどの危機感を持って取り組んでいる企業はとても少ない状況です。私が唯一知っているのは「コマツ」さんだけです。

 読者の皆さんももう一度まわりを良く見て頂いて、どんどんデジタル化が進んでいる中で、いつまでも旧態依然としたビジネスをしていないか、しっかりと見直して頂きたいと思います。

 

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■執筆者プロフィール

氏 名 宗平 順己(むねひら としみ)

所 属 ITコーディネータ京都 副理事長

Kyotoビジネスデザインラボ 代表

資 格 ITコーディネータ、公認システム監査人

 

https://www.kyoto-bdl.com/

 

専門分野

・サービスデザイン(UX)

・クラウド

・BSC(Balanced Scorecard)

・IT投資マネジメント

・ビジネスモデリング

・エンタープライズ・アーキテクチャ  などなど

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