今日からできる業務改善 / 山口 透

私は、中小企業の経営計画策定や業務改善のコンサルティングを行っています。

 

このうち基幹システムを伴った業務改善は、大規模で時間がかかることがあります。しかしこの大規模な改善の打合せ中に、ちょっとした業務効率アップのアイデアを提供することもあります。

 

今回は、その中で検討いただきたい方法を3つお伝えします。

 

一つ目は、ホワイトボードとプロジェクターを使った打合せのやりかたです。

中小企業の打合せの現場では、気心の知れたメンバーでの打ち合わせや、夫婦や親子による経営会議になることが多いでしょう。

しかしこのような状況であっても、相手との相互理解を深めるために、ホワイトボードを活用して打合せを進めたほうが良いと考えています。(参照:https://goo.gl/xU3ibL

 

例えば経営会議や打合せの前に、売上実績表やキャッシュの状況などの資料はExcelやwordやPowerPointなどで作成するでしょう。

この資料はプロジェクターを使ってホワイトボードに映してください。その状態で、手書きでホワイトボードに打ち合わせ内容を書いていくことお勧めします。

紙の資料を配布して各人がそれぞれ考えるのではなく、議論は映した資料の部分に集中させましょう。そのうえで、その議論をホワイトボードに書き込めば、議題があちこちに飛ぶことが少なくなります。最終的にはその状態を写真にとって議事録や次のアクションリストにするとよいでしょう。

いつでもできそうなことなのですが、いつも同じメンバーで同じような会議をしているとすぐに忘れてしまい、最終的に次回までのアクションリストの共有ができないということが多いでしょう。それを避けるための方法です。

 

二つ目は、測定結果のデータ収集です。

製造業がマシニングセンタなどを使って機械部品を製造する場合、最終的な検査で長さや幅などを測定すると思います。この検査は測定して終わりではなく、手書きやExcel等に入力して、検査結果の保存や分析に使うことが多いでしょう。

 

企業によっては、マシニングセンタの機能を使ったり、3次元測定器などによって結果をデータに落としていると思います。しかしノギスやメジャーで測定しているのであれば、これをデータを送信できるタイプに変えてみてはどうでしょうか。

具体的には、Bluetoothの送信機能備えたノギスや、レーザー測定器などを使います。これらは測定ボタンを押すことでスマートフォンやパソコンにデータを送ることができます。測定した結果そのものを送ることができ、用紙に記入していた手作業が削減できます。

このメリットは、記入間違いや入力まちがえたなどといった人的なミスが防げるところにあります。人的ミスを防いで、データを分析して、生産性の向上を図ってはいかがでしょうか。

Bluetooth送信機能があるレーザー測定器なのは数万円で購入できるので試しにやってみることをお勧めします。

 

三つ目は、パソコン操作の自動化です。

例えばインターネットのホームページを公開していて、そこに送られてきたお問い合わせ内容をメールで受け取り、メールの内容をエクセルに一覧表として作成している業務はありませんか。ほかには、EDIや取引先の特定のインターネットのページにログインして、データをダウンロードして、注文書や納品書を印刷するといった作業を毎日行っているのではないでしょうか。

 

そのような方には、ブラウザやウィンドウズの操作を録画して再生するようなイメージで、人間が行っていた操作を自動的に行わせることができるツールが増えています。

RPA(Robotic Process Automation)と呼ばれる分野で有償・無償など様々なソフトウェアがあります。

中小企業の場合上記のような操作は、毎日20分から30分の作業かもしれません。けれどもその操作をコンピュータにに任せられるなら任せましょう。これらを使って操作を自動化することでその間にお客様へ電話をかけることができたり、受け取った資料をまとめるなど人間しか出来ないことに集中していくとかんがえるべきと考えます。

 

いくつか簡単にご紹介しましたが、これらは私が実際に50人以下の企業で行った、短期間にできる改善です。ぜひ、取り組んでみてください。


■執筆者プロフィール

 株式会社 エムティブレイン http://mt-brain.jp

 山口 透(とおる) yama@mt-brain.jp

 経営戦略策定、業務改善やIoTを活用した新しいサービスを中心として、大企業から中小企業までの「経営とITと人材育成」のコンサルティング業を行っている。

 中小企業診断士、ITコーディネータ、システムアナリスト