コミュニケーションメディアの変化には積極的に対応しましょう / 積 高之

 先日某大学の経済学部で授業をすることがあり、終了後にアンケートを行いました。2~4年生でしたので「22歳~24歳まで100人に聞いて見たSNSに関する質問」の回答用紙を回収中、「今一番よく使うSNSは何ですか ?」の回答に「Facebook」の文字が見当たらなかったので、改めて口頭で聞いてみました。

「Facebookを使っている人、手をあげてください」

この質問に手をあげた人は何人いたでしょうか。22~24歳ですが、答はゼロ人。

 まぁ、でも就活生でもあるし使っているとは言えないがアカウントだけ持っている人は?と訪ねたら恥ずかしそうに1人。

 若い人の中でユーザーが減っているのは承知していましたが、僕達40代50代の間で、あれだけ流行っているFacebookを全く誰も使っていないという現状に唖然としました。

 

 では何が一番だったかと言うと「Instagram」と思うのはまだ状況がわかっていると言えず、Instagramは「今まで使ったけれど最近止めたSNS」で1位でした。もう若い人にはInstagram」も常識ではありません。彼ら彼女らの間で使われているSNSは「YouTube」と「twitter」でした。(YouTubeをSNSとする違和感は、今はそのままにしておいてください。後ほど説明します。)

 

 また別の調査で「年代別アプリ利用率TOPランキング」で10代では 1位YouTube  2位LINE  3位 Instagram  4位Safari  5位 Twitterの順で、20代では 1位Safari  2位YouTube  3位 LINE  4位Twitter  5位Instagram であったという結果も出ています。10代では、ブラウザであるSafariの利用率がもはやトップではなく、実は検索でもYouTubeを使っている人が多いようです。

 

 前述の大学生には「就活をしているなら、企業が発信しているFacebookのアカウントぐらい持っておいたほうがいいですよ」と大人っぽく教えて来ましたが、間違っているのは企業側です。相手が使っていないメディアで就活生にアピールし、コミュニケーションを取ろうとしているのですから。

 10代になると、Safariを使ってないのですからGoogle検索も使っているはずはなく、SEOであるとかリスティング広告であるとか、Google検索を前提にしたサービスは成り立ちにくくなって来ているのです。

 

 もう一つの特徴はYouTubeのユーザー側の意識の変化です。というより、今の大学生以下の年齢の人達、「YouTubeネイティブ」がもたらすメディア利用の変化です。2005年に生まれたYouTubeは2007年には日本で1000万ユーザーを持っていました。その頃の小学校高学年という世代が、「ものごころついたらYouTubeがあった」年代、つまりYouTubeネイティブです。彼らは日がな一日YouTubeを立ち上げっぱなしにしています。大学生の中には「(YouTubeを立ち上げている時間は)起きている時間の8割」と言い放った人もいました。(「おいおい。今、この授業中も見ていたんじゃないの?」と聞きかけて止めておきまました。

見ているに決まっているので冗談になりません(笑))

 

 もちろんアンケートにもランキングにもFacebookは出てきませんし「メール」も出てこないです。(Mailは、10代、20代、30代のどの年代のアプリ利用率TOPランキングにも出てきません)。ある20代のOLに聞きましたが、今友達と一番コミュニケーションが取れているのは「Instagramのストーリー」(実際に使っている層は「ストーリーズ」とは言いません。ストーリーと言います。僕らはおじさんなので表記通りに「ズ」をつけます)、そのストーリーズからコメントでチャット状に会話しているようです。

 

 普通のビジネスシーンでもメールを使わないケースが増えてきました。メインになっているのは「(Facebook)メッセンジャー」で、初対面のあとメッセンジャーで挨拶を送ったり、誰かと誰かを紹介する場合、メッセンジャーでグループを作り、さっと紹介する。(実際にやってみてください。紹介のためのリアルにミーティングをセットするのが馬鹿らしくなるくらいスムーズです)この方法のポイントは特に友達にならなくてもいいこと。もう、本名でアカウントを持っていることは現代のビジネスマナーとも言えますね。

 

 実際に案件が進み始めたら「Facebookグループ」を作るなりSlackやyammerなどでコンタクトしたり、便利でそのケースにあったものを利用すれば良いわけです。WeChatでのコンタクトも、さほど珍しくなくなってきました。(中国人技術者やビジネスマンが増えてきたからですね)

 

 電話で会話しなくなって久しいですが、最近は逆にニュースなども音声アプリで聞くことも多くなってきました。移動中や運動中でも聞けるので便利ですね。(ラジオとは少し違う感じがします。もっと情報がコマ切れになっている感じ)それこそWeChatで中国人同士の会話が、流れているのは文字でなく音声ですね。ボイスチャット。電話とどう違うのかと思うのですが、自分のタイミングで送れるという利点があります。

 

 このように、ユーザーベースではツールの流行りが変化して、新しいサービスもどんどん生まれています。ITコーディネータはもちろんのこと企業経営者の方も、新しいコミュニケーション方法を試してみる、少なくともわかる人に聞いてみる、「これまでの自分の常識にとらわれず、とにかくオープンに受け入れる」ようにしてみればどうでしょう。

 

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■執筆者プロフィール

 積 高之

 seki@sekioffice.jp

 

株式会社リリク シニアコンサルタント

京都積事務所代表  ITコーディネータ・上級SNSエキスパート・上級ウェブ解析士  大手子供服SPA,酒販小売業チェーン、保険代理店 などの顧問・コンサルタントを歴任。