文書やホワイトボードの情報共有 / 山口 透

2018年版中小企業白書によると、中小企業でWordやExcelなどの利用は4割程度であると言われています。大規模企業になると7割ほどですので、もう少し増えてほしいところです。

 

ところで、このWordやExcelなどのファイルを他の方に確認してほしい場合、皆さんはどうしているでしょうか。

多くの方は、メールの添付やファイル共有サービスなどを使って確認しているでしょう。

 

ここでおすすめしたいのが、「Google ドキュメント」や、「Google スプレッドシート」といったサービスです。

「Google ドキュメント」はマイクロソフト社のWordのようなアプリケーションで、文章を書くための機能が揃っています。また、「Google スプレッドシート」はExcelのような表計算ができます。

「Google ドキュメント」や、「Google スプレッドシート」といったサービスは文書を作成するだけではなく複数の人が同時にファイルの編集ができることが魅力的です。

 

ファイルを送付して情報を共有するだけでなく、遠隔地とSkypeのようなインターネット会議を行っているときに、ファイルを編集しながら討議ができます。使い方を考えると、遠隔地でできるということは、対面で話をしながらファイルを編集することもできます。

 

ITコーディネーター京都で7月から始まったITコーディネーターケース研修では、受講生がそれぞれのパソコンを持ち寄り同じテーブルの上で同時に文書を見ながら編集しています。同じ文書を見ることができるので、プロジェクターに映す必要がなく情報の共有ができます。

 

さて、これらは文章や数値などデジタルの表現でした。

研修や打ち合わせの場では、書類を見ながら討議をする他に、アイデアを発散させるときや人とシステムなどの関係性を表す場合にホワイトボードに手書きで図や表を書き表すことがあります。

 

今回の研修でも同様の場面がありました。

意見を言葉でまとめていくときは、Google ドキュメントやスプレッドシートなどで十分対応できます。

しかし、ある程度発散したアイデアをまとめていく場合や、業務プロセスを示してシステム化を検討する場合などは、文字で書き表すよりも、絵や関係図で示すほうがわかりやすいでしょう。

 

特に、インターネットでオンライン会議などを行うときはホワイトボードを共有したいという気になります。

このケースで有効な、Google Jamboard という新しいサービスを見つけたので紹介します。

Google Jamboardは、白紙の画面(ページ)にマウスやタッチパッドで手書きの絵を書くことができます。

パソコンの画面でもタブレットでもスマートフォンでもできます。さらにこの画面がほぼリアルタイムにインターネット経由で他の人と共有できます。つまり場所を問わず、Skypeのようなインターネット会議であっても同じホワイトボードを見ながら話ができるのです。

使い方は簡単です。Google ドライブの 「その他」から Google Jamboard を選べば使えます。

Google Jamboard で検索すると、この仕組を使ったハードウェアも販売しています。

 

私は、以前の会社でこのような製品を扱っていたこともあり「とうとうGoogle から無料ででてきたな」と感激と恐怖を少し感じながら使っています。

 


■執筆者プロフィール

 株式会社 エムティブレイン http://mt-brain.jp

 山口 透(とおる)yama@mt-brain.jp

 経営戦略策定、業務改善やIoTを活用した新しいサービスを中心として、大企業から中小企業までの「経営とITと人材育成」のコンサルティング業を行っている。

 中小企業診断士、ITコーディネータ、システムアナリスト