今からでも遅くないキャッシュレスポイント還元 / 間宮 達二

 10月から消費税率10%への引上げが実施されました。弊社お客様の動向を見ておりますと、それほど駆け込み需要の影響はないようでしたが、政府としては増税後の景気の冷え込みを抑えるため、2020年6月までの9ヶ月間という期間限定で、キャッシュレス決済を対象としたポイント還元制度が実施されています。2%の税率引上げに対して最大5%のポイント還元があり、消費者にとっては魅力的な制度です。

 

◆制度概要

 消費者が対象となる中小・小規模事業者の店舗の支払いでキャッシュレス決済を選択した場合、個別店舗については5%、フランチャイズチェーン加盟店等については2%が消費者に還元されます。

 具体的には、消費者が店舗でキャッシュレス決済をすると、まずはクレジットカード会社等のキャッシュレス決済事業者がポイント等を消費者に発行して、キャッシュレス決済事業者はその後、発行ポイント分を補助金として国に請求するという仕組みです。

 基本的には、すべての取引が対象となりますが、一部対象外になる取引もありますので、注意が必要です。

 

◆中小・小規模事業者のメリット

 消費者だけでなく、キャッシュレス化に取り組む中小・小規模事業者のメリットも見逃せません。

 

<メリット>

・実施期間中はキャッシュレス決済事業者に支払う決済手数料が3.25%以下の場合、その3分の1を国が補助するため、実質的な決済手数料を2.17%以下に抑えられる。

・統一ポスター等を提示してポイント還元の対象店舗であることをアピールすることで、集客力がアップ。

・キャッシュレス化によりレジ締めの手間や現金取扱いコストを省ける等の業務効率化が見込まれ、消費者の購買データを収集すれば、店舗戦略や商品開発に役立てることも可能。

 

 対象となるキャッシュレス決済の手段は、クレジットカード、デビットカード、電子マネーやQRコードなど電子的に繰り返し利用できるものであれば、幅広く認められ、既に導入している店舗であれば、継続して利用する事も可能です。

 

◆補助対象となる中小・小規模事業者

 キャッシュレス・消費者還元事業の補助対象となるのは、中小企業基本法上の中小・小規模事業者とされていますが、いわゆる過小資本企業(直近3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える中小・小規模事業者)は補助の対象外となります。

 

◆フランチャイズチェーン等の場合

 フランチャイズチェーンの加盟店について、中小・小規模事業者に該当する場合、2%のポイント還元の原資が国から補助されますが、本部(フランチャイザー)の直営店や大企業に該当する加盟店は対象外になります。また、端末費用や加盟店手数料の補助は行われませんので注意が必要です。

 

◆対象店舗になるための登録手続

 キャッシュレス・消費者還元事業の加盟店になるためには、事前の登録手続が必要です。

 

<事前登録の流れ>

1) 自社の店舗が本制度の対象か確認

2) 1)が当てはまる場合、キャッシュレス決済対応状況を確認

3) 現在の決済手段を継続する場合は、決済事業者に加盟店IDを伝え、登録審査を依頼(新たに導入・または見直しをする場合は、契約したい決済事業者を選択して問い合わせ)

 

 もう既に始まっているポイント還元制度ですが、中小企業にとっては参加するメリットのある制度です。対象期間は9ヶ月間の限定されたものですが、特に人不足に悩む中小企業者についてはこの機会に、キャッシュレス精算に対応し、レジ精算時間と営業終了後のレジの締め時間の短縮につなげれば、長期的にはコスト削減にも繋がります。是非その点も考慮して、キャッシュレスに取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

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■執筆者プロフィール

 

氏名:間宮 達二(まみや たつじ)

所属:ひかりアドバイザーグループ(ひかり戦略会計株式会社)

資格:ITコーディネータ

お問い合わせ:mamiya@hikari-advisor.com

HPアドレス:http://www.hikari-advisor.com

21世紀に羽ばたく「あるべき姿」の実現に向け、お客様の羅針盤として真の経営改革支援と、事業リスク分野における情報提供、将来に向けての対応策をご提案いたします。