New Normal / 宗平 順己

 世界中の国々で外出自粛・禁止が長期に続いていますが(過去形になっていると嬉しいですが)、多くのBtoB系の企業は企業活動を継続できています。在宅勤務やオンライン会議に切り替えているからです。また学生はオンライン講義で授業を受けています。デジタル化の恩恵が思わぬところで現れてきました。

 そういう取り組みの中で、これまで当たり前であった対面型での会議や打ち合わせ、授業の無駄が分かる様になってきました。

 オンライン会議にすると、まず資料の配布、コピーが不要になります。チャットと組み合わせることで、誰でも発言できるようになります。日本では上位者が発言すると皆が黙ってしまうということがありましたが、オンライン会議では幹部の情報リテラシーの低さもあって、LINEに慣れた若い世代の方がコメントするようになるからです。チャットは残るので、議事録も不要になります。

 この様な環境変化にあたって、壁になっているのが、中高年の情報リテラシーの低さと若い人のパソコン離れです。

 前者については、3月26日にYahooニュースで「在宅勤務で判明した…中高年社員のパソコンスキルが低過ぎる !」という記事が配信されていました。在宅勤務への切替にあたって、幹部社員が業務効率化の足かせになっているというものでした。

 後者については意外に思われるかもしれません。オンライン講義をした場合、多くの学生はスマホで受講します。PCであれば、画面上にPowerPointなどの共有画面とチャットのウィンドウを広げることも可能ですが、スマホではそれは難しいです。グループワークもスマホではほぼ不可能です。

 とはいえ、オンラインベースの活動ができなければ、仕事も学習もできない状況は絶対であり、世の中の活動の仕方は、この世界的な危機を通じて大きくデジタルベースへと切り替わる、すなわち、「New Normal」になるという認識が醸成されてきています。

 デジタルの良さに気づいた以上、もはやこれまでの仕事のスタイルに戻ることはないでしょう。もちろんオンラインだけで仕事や商談は進むことはなく、オンラインと対面をうまく組み合わせて活動するようになります。対面での面識がある方がオンラインでのコミュニケーションは密になりますし、またオンラインでのコミュニケーションがあるから、対面でのコミュニケーションも密なものになります。おそらく営業も初回はオンラインで行ってお互いにマッチするとわかってから初回訪問し、その後はオンラインが主で重要な局面のみ対面でというような「合理的」なスタイルに変わっていくでしょう。

 

 さて、このような変化に対して、皆さんは取り残されず、むしろ中心的に活動できるのでしょうか ? 先に示したような変化への対応の障害となってしまうのではないかと危惧しています。

 3密を避けないといけない状況を逆手にとって、デジタル化への良いチャンスであるととらえて積極的な取り組みをされることを期待しています。


■執筆者プロフィール

 宗平 順己(むねひら としみ)

 武庫川女子大学経営学部教授

 ITコーディネータ京都 副理事長

 Kyotoビジネスデザインラボ 代表社員

 資格:ITコーディネータ、公認システム監査人

 https://www.kyoto-bdl.com/

 専門分野

 ・デジタルトランスフォーメーション

 ・サービスデザイン(UX)

 ・クラウド

 ・BSC(Balanced Scorecard)

 ・IT投資マネジメント

 ・ビジネスモデリング

 ・エンタープライズ・アーキテクチャ などなど