【活動報告】ITC京都2月例会受講レポート

2月15日(木)19時開始、京都情報大学院大学とzoomのハイブリッドによるITコーディネータ京都2月例会「DX人材育成事業への参画を通じて、社外への貢献も実現した事例の紹介」を受講しました。

講師は、豊橋ステーションビル株式会社 代表取締役社長、株式会社豊橋まちなか活性化センター専務取締役 浅野 卓 氏。
愛知県豊橋市における駅とその周辺から拡がる地域活性への貢献を日々実践されています。
寄稿者自身も所属する会社において地域活性化活動を実施しています。地域の活性化を実現するためには、自己組織が活性していなければ始まりません。活性化活動は、まずは自己組織でやってみる、ということが大切と思っています。そんな思いを抱く私へのひとつの「解」を示してくださったような大変興味深い内容の講演でした。

最初の話題は、中小・小規模企業者向け「デジタル技術導入モデル実証事業」でした。次に「マナビDXQuest地域企業協働プログラム」の取り組みついてのお話でした。

私が感心したことはまず、DX人材育成の取組みを始めるにあたっての姿勢です。よく言う組織における「2.6.2の法則」において、大きな組織では、たとえ2としても、それなりの人数になります。しかし小さな組織においての2は、デジタル化ましてやDXの成功をしようとするには係る人の数が揃わずに実行に困難なことが容易に想像できます。 そこで、社員へDXに取り組むようにトップダウンの指示をするのではなく、外部のICT技術の専門家との交流を通じて自らが知識習得や資格取得を実行されたことで、その姿勢を見た周りの社員からムーブがおこりITの意識改革が醸成された職場となり、多くの社員が自発的にDXに向かえる人材となる環境をつくられたのではないか、と大変感心しました。 社内におけるDXの取り組みのお話でしたが、少数しかも短時間で、調査分析から始められ、方向性や導入ツールの検討、導入運用にあたってのグランド設計など、規模やITへの成熟度に対し的確に進められたと感じました。そしてその仕組みを社外にも適用できるよう視野に入れてお考えになられ実践されたことが、社外水平展開においても無理のないスムーズな導入と成功につながったのではないかと思います。 DX人材育成といいながら、LINE WORKS等といっただれでもが運用できるような身近なツールの導入と利用する仕組みを構築されたことで、育成というよりは使う人が自然にDX人材となっているのではないか、と今になってまた感心しています。

そして浅野さんの思いのお話がとても印象に残っています。産官学に、今後は幅広い視野と高い見識を持つ市民の視点を加えた地域活性化における「四重らせんモデル」であること、の紹介。その市民の役割こそがITコーディネータができることではないかとの見識。また、「弱いつながりの強さ理論」の提唱にも共感するばかりでした。 短時間のあいだに並行して取り組まれた大変密度の濃いDX事業と地域活性化への取組みを聞かせていただき、学ぶことの大変多い貴重な時間でした。